「新しいバットマン像はある」THE BATMAN ザ・バットマン レモンゴルさんの映画レビュー(感想・評価)
新しいバットマン像はある
ダークナイトのバットマンは病的な自己犠牲精神があったし、ジャスティスリーグのバットマンは冷静さと容赦の無さで熟成された狂気を見せてくれたが、今回は若さ故か自暴自棄でやや猪突猛進という危ない面が表れていて、そこがまたバットマンらしくていいキャラクター像だなと思いました。
ただ、後半はほぼコスチュームを着ているのにそのスーツやガジェットを駆使して捜査をするような場面は少ないのは気になりました。歩いて現場を回りバットシグナルがある塔の上でゴードンと話す場面を何度も見せられるからか冗長に感じる場面も。
ゴードンを殴り警察署で大立ち回りして逃走、指名手配までされたのにファルコーネが狙撃される時には警察も普通にバットマンを受け入れていたりとちょこちょこ引っかかった点もあり。
リドラーの犯行と目的、キャットウーマン、両親の死の真相、マフィアたちの抗争…と沢山の謎が徐々に解けて線に繋がるのは面白くはありますが、大きな盛り上がりよりも小さな盛り上がりがいくつかある、という感じでそう言う意味では単発映画というよりTVドラマシリーズを駆け足で見ている感覚。
あと、これは好みですがやはりマントで飛んで欲しかったな。リアル路線でウィングスーツにしたのかもしれませんが、そこは残して欲しかったという気持ちが大きいです。キャットウーマンを追って塔から降りるシーンも飛ばなかったし、うーん…。