「色気があって最高にカッコいいバットマン」THE BATMAN ザ・バットマン おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
色気があって最高にカッコいいバットマン
正直ツッコミどころは多いです。
初見には優しくない「説明しなくても知ってるよね?」とばかりに説明されないバットマンの基本情報。
探偵モノかと思えば、リドラーの提示するナゾナゾを辿っていくだけで最後の最後以外は相手の裏をかけない。
ずっと暗い画面、雰囲気。(これはイイとこでもある)
ダークナイトっぽいストーリーラインと演出。
予告ですげぇ煽っておきながら大したことのないバットマンの罪。
というか予告編が全部悪い。
これだけ不満点がありながら満点評価なのは、主人公であるバットマンに色気があって最高にカッコいいからです!
ストーリーは正直ダークナイトやジョーカーが完璧で、今作が入り込む余地は無いです。
それでも今作は明確にバットマンが主人公であり、バットマンの魅力を遺憾なく発揮しています。
影に潜み悪党を恐怖で抑え付け、しかし自身も恐怖に囚われており、それを振り払うために復讐者として怒り任せに、しかしどこか恐怖を振り払うかのように拳を叩きつける。
ダウナー気質で病的なほどに悪党退治にのめり込み、ともすればバットマン自身がヴィランに陥りそうなほど危うい。
戦闘は強いけど、決して無敵ではなくその辺のモブ敵にやられかける。
ずーっと陰鬱な雰囲気で暗い演出。
具体的にどこが?と言われれば難しいんですが、とにかくバットマンが危うくて色気あるんですよね!!
エロいと言っても良いです!
すげー寡黙で感情をなかなか表に出さないんですが、雰囲気で雄弁に語っているんですよね。
あとガジェットが良い。
前作のようなスーパーガジェットは登場せず、現実にありそうなものをアレンジして使っています。
ガッカリする方がいるのもわかりますが、今作のひたすら陰鬱で暗い雰囲気のバットマンにスーパーガジェットは似合わないので、これぐらいがいい塩梅かと。
明らかに浮くと思います。
そしてバットモービル!!
カッコいい!!
最高のカーチェイスでした!!
炎をバックに現れるバットマン!
うおおおおおおお!!(語彙消失)
まぁ不満はありますよ。
リドラーがあまりに普通すぎるヴィランであるとか、最後の盛り上がりが物足りないとか。
あとは最初に書いたことですかね。
それを差し引いても今作のバットマンが過去最高に好きです。
以下追記
他の方のレビューで、「今作のヴィランはリドラーではなくゴッサムそのもの」という意見を目にして目から鱗でした。
なるほどそれならリドラーにヴィランとしてのインパクトが欠けるのも、ある程度は納得がいきます。
リドラーとバットマンは具体的な方法は違えど、「恐怖」や「復讐」という手段によって街を変えようとする目的を持った、味方ではないが共闘しているような関係性だったのです。
リドラーのナゾナゾを追うだけで阻止できないのは、それは途中まで二人が共闘関係にあったから。
劇中ではリドラーの「二人でやった」という言葉にバットマンは否定していましたが、アプローチが違うだけで動機と目的は同じだったのです。
しかし最後の最後で、恐怖による変革を貫いたリドラーに対し、バットマンは最後の最後で希望による変革に目覚めたから真のヒーローになった。
というところでしょうか。