「面白さ期待以上◎」THE BATMAN ザ・バットマン 708kgさんの映画レビュー(感想・評価)
面白さ期待以上◎
予告を見た限りでは、観る気が起きなかったが、いつものごとく評価の高さに釣られて早速観賞。
さっすが評価の高さに頷ける。
陰気だが美しい画に力があり、哀しみと怒りで静かに燃える赤がテーマのリーブスバットマンも悪くない。(青く燃えていたノーランバットマンも大好きだ)
任務を終えたバットマンが、帰還後に任務記録をレビューし出力・考察するくだりも、素直に感服しました。(この影の努力があってのスーパーヒーローだったんだと思うと、キャラクターの厚みが増して魅力的に映りました)
冷める演出も無い。全てが味わい深い。
(レザー製マスクの傷や欠けも計算通りなんでしょうね!)
面白映画の共通点でもある、期待を煽って何も起きない(面白い脚本でなければ使用厳禁な)思わせぶりの肩透かし演出もあったし。(控えめな予告編といい、面白さを確信していたな。)
リドラーの謎解きを主軸に、孤児ブルースウェイン、両親の死の真相、恋心、汚職、復讐劇など、テーマや展開を破綻させずに上手に脚本に落とし込んでいてあっぱれです。
スペイン語の謎解き解釈のくだりは、理解が追いつかなかったけど、(翼の生えたネズミは、飛べない鳥ではなくて、ハヤブサだったというオチの理由とは?)全く飽きずに3時間弱を楽しめました。
憎たらしさを垂れ流して逃げるペンギンを、静かに怒るコウモリ男が追いかけ回す炎のカーチェイスで味わう爽快カタルシスだけでも映画館代の元は取れた。
親子のトラウマに向き合う後半戦も、思わず代替案は無かったのか?哀悼の確信犯なのか?と心配してしまった見応えあるクライマックスも、ある意味心をもてあそばれてしまったことを含めて、今年のベスト面白かった映画と言えるでしょう。
怒りと哀愁が漂う右斜めに構えた上目遣いの決めポーズを乱発されても、嫌な気が起きるどころか、歴代1番のカッコ良さなんじゃないかと思わせるパティンソンバットマンは、続編が出たら絶対観ますね!