「ハードルの高さにしては健闘した方かな」THE BATMAN ザ・バットマン XIAN666さんの映画レビュー(感想・評価)
ハードルの高さにしては健闘した方かな
ダークナイトトリロジーの伝説的な評価の高さ。
皮肉にもDCEUという失態が更にそれを加速させていた。
それ故にもはや世界一と言っても過言ではない程に上がりきった"バットマン"という名のハードルを課されたにしては、よく健闘した方かなと思いました。
良かった点は、俳優さん達の演技。
もちろん吹替え声優さんを含めてです。
全員素晴らしかったですが、特筆すべきはロバート・パティンソンとポール・ダノ!
ロバートはブルース/バットマンの背負う過去をより寂しく、より切なく魅せてくれました。
吹替えの櫻井孝宏さんもそんな雰囲気にとてもよく似合っていましたね。
ポールはリドラーの粘ついた気持ち悪いヴィランとしての質感をとてもよく表現していました。カリスマ性の権化であるジョーカーとは違う、もっと陰湿でサイコな性格を。
吹替えの石田彰さんも流石の一言!
バットマンとの面会中に叫ぶ声なんかは皮膚の下が痒くなるような気持ち悪さでした(笑)
もう1つ良かった点として、一貫した演出です。
暗い。とにかく暗い。ジョークのひとつもない。
デッドプールももう弄りたく無くなるだろうと思えるほど潔く徹底的でした。
好き嫌いが別れるであろう最も大きな部分ではあるでしょうが、僕は好きです。
ただ、悪かった点は他のほぼ全ての要素。
まず戦闘シーンやバットモービルのようなガジェット類は地味だなと思わざるをえません。
やはりヒーロー映画の醍醐味である部分を現実的な世界観を構築する為に犠牲にするのは如何なものかと...。
すんげーSFなコンタクトレンズは出てきたのに。
あとは脚本の細部にツッコミどころが多すぎますね。
特にバットマンが気絶するシーン。
ゴードン以外の警察は基本的にはバットマンをあまり信用していませんよね。
何故気絶しているバットマンを確保した時、まずマスクを剥がす!とならなかったのでしょうか。
それはゴードンが何とか阻止した...とするのも警察官があの数では無理がありますよね(笑)
他にもキャットウーマンや探偵もの的要素など、若干大きな要素が多すぎて中途半端になってしまっているような印象でした。
残念。
まとめると、DC映画はそろそろ本当に知名度と予告編の期待感が高いだけのフランチャイズになりつつある...と感じさせてくれる作品でした。
いや面白かったですけどね。
もっとやれると思うんですよね...。