「陰謀論が陰謀論でなくなった世界」THE BATMAN ザ・バットマン LIOさんの映画レビュー(感想・評価)
陰謀論が陰謀論でなくなった世界
クリックして本文を読む
バットマンとリドラーの因縁については必ずしも完全な説明がもたらされるわけではないですが、僕はそういう映画の方が好きです。
リドラーは、陰謀論conspiracy theoryに踊らされる貧困層をモチーフにしているのだと思います。ところが、僕たちの世界では陰謀論で済んでいることがゴッサムでは現実になっている。
陰謀論者の怒りと暴力が正当な裏付けを持ってしまっている恐ろしい世界。それが描かれた映画のように思えました。
アクションはテンポよく適度。陰影や構図の使い方はとても上手だなぁと思いました。特にカーチェイス後にバットマンがペンギンに近づくシーンは、コウモリの目線をうまくモチーフにした構図のように感じ、とても小気味よかったです。
かなり時間が長い割に、背景や因果関係を捨象してる部分があると感じる方もいるでしょう。スッキリする映画という訳ではないですが、比較対象となり得るバットマンビギンズよりはかなり出来が良いと思える作品でした。観る価値はあると思います。
コメントする