「影から光へ」THE BATMAN ザ・バットマン 夢見心地さんの映画レビュー(感想・評価)
影から光へ
登場シーンから既に完璧でした。闇の中から全身黒い男が現れる、それだけで映像としてカッコ良過ぎますよね。そして自分自身が影であると言うバットマン。
最初は復讐心のみで動いていたバットマンですが物語が進むにつれ真実を知り彼の中で何かが変わって行ったのでしょうね。最後は洪水で流されそうになる人達を純粋に人助けをしたいという気持ちだけで助けに行きます。かつて影だった彼が暗闇の水の中で1人輝き人々を導く光となったあのシーンこそ、彼の心の中に希望が生まれた瞬間なのだと思います。その後の夜以外に救出活動を行なっているバットマンのシーンからそれが良く伝わって来ました。
本編を通してゴッサムは明らかに前よりも酷くなっています。結局街自体は何も変えられなかったし、これからも変えられないかもしれません。でもどんなに苦しくて絶望的でも希望だけは捨ててはいけないという事をバットマンは教えてくれたのですね。
内容もさる事ながら映像も素晴らしかったです。霧やスモークを使った演出、そしてカーチェイスのシーンは敵目線から見える炎をバックに迫るバットマンがカッコ良過ぎました。映画なんて映像の一種ですから正に"映像的な作品"とも言えるでしょう。是非IMAXのスクリーンで(出来れば前の方で)体感したい作品ですね!あとキスシーンは普通にカットで良かったと思います!