「リブート版『マトリックス』」マトリックス レザレクションズ regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
リブート版『マトリックス』
「なんで続編作ったの?」という前三部作を観た者の大半が思う事を自らネタにしてしまうメタ構造にまず戸惑い。とにかく世界観説明の台詞が長すぎて余計に訳が分からなくなり、中盤あたりから正直ついていけなくなってしまった。劇中、「マトリックスは話がよく分からない」といったメタ台詞を入れていながら、本作も同じ轍を踏んでしまったのは狙っての事なのか。
個人的に一番期待していたアクションも、カット割りが多くて見づらくなったばかりか、コレオグラフィの肝だったカンフー要素が殆ど抜け落ちてしまったのが残念。どうせなら俳優として出演していた『ジョン・ウィック』のチャド・スタエルスキ監督にもコレオグラフィを任せば良かったのに…もっともそうなったら『ジョン・ウィック4』になってしまうか。
と不満ばかり並べてしまったけど、本作はトランスジェンダーとして女性になったラナ・ウォシャウスキー監督の投影と思えば納得できる。「真実の先を知りたくないか」というコピーは、“真の実体”を得たラナによる先の『マトリックス』、つまりリブート版『マトリックス』なのだという事を。ま、リブートに絡んだメタ台詞もあったけど。
だからネオではなく、トリニティーなのだ。
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