「チンプンカンプンだった」マトリックス レザレクションズ 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
チンプンカンプンだった
生憎「マトリックス」シリーズは観たことがなかったので、本作品を観ても何のことかよくわからなかった。いや、チンプンカンプンだったと言う方が正しいかもしれない。
マトリックスという言葉そのものは、何かを分類するのによく使う。たとえば日本酒だ。濃醇と淡麗、辛口と甘口で4種類に分かれる。ある日本酒がどのあたりになるのか、十字を書いて説明すると解りやすい。
しかし本作品で使われている「マトリックス」は主人公トマス・アンダーソンの台詞では彼が作ったゲームの名前らしい。現実と仮想現実を行き来できるゲームだとか。機械と薬物を使うというところから、つまり世界は脳の働きによって認識されているだけであって、その認識こそが世界なのだということになる。唯心論の世界観に近い。
あるシーンが誰かの精神世界で、次のシーンが誰かの精神世界でとなっていき、それが連続すると、元の位置はどこなのかが解らなくなる。迷路をさまよっているようで、現在地もゴールも不明だ。結局何を見せられているのか解らないまま終わってしまった。逃走シーンや格闘シーンのCGはよく出来ていたが、それだけであった。
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