「ループはミスリード、ちゃんと地続きのマトリックス。ただ……な終盤」マトリックス レザレクションズ ヨヨ23さんの映画レビュー(感想・評価)
ループはミスリード、ちゃんと地続きのマトリックス。ただ……な終盤
予告や噂でループものとか言われてましたが、ちゃんと続編としてのマトリックスでした。
歴代マトリックス作品ネタもそこそこあるので、シリーズ初見の人は予習必須でしょう。
久々の人も記憶を掘り起こしておくぐらいのことはしておいた方がいいかも。
厳密には「ループものの要素を取り入れた続編」というべきでしょうか。
あくまで主体はマトリックスの世界であって、ループものの部分は「バーチャルな仮想世界はこういうこともできる」という要素の一つにしか過ぎません。
最近流行りの時間ループ物の要素をマトリックスの世界にうまく取り入れた感じになっていて、その複雑さに混乱することもありましたが、このあたりは物凄く面白かったです。
不快な複雑さではなく、場面場面が繋がった時のアハ体験の快感的な意味で。
ただ主要人物のネオ、トリニティーが明らかに年食っていて「老いたなぁ……」がまず第一の印象でした。
ターミネーターのサラ・コナーの様な「老いを逆手に取って渋いハードボイルド風」なんてことは無く、単純に「ネオとトリニティーに、今の年齢で昔と同じことをさせている」のだからことさら老化というものを感じさせました。
ネオに至っては物語が大きく動く中盤~終盤に至るまで役割的にも物凄く情けない感じで。
それでも主人公か!?と言いたくなる程でした。
ぶっちゃけ、序盤に会社でスミスとゲームを作っているアンダーソン君の時が一番かっこよかったまであります。
二人のポットが特別製だった理由ってのも……いやもっと理由ありますよね?敬意的なやつとか王と女王みたいな関係とか機械たちの崇拝的な意味とかありますよね?無くてもこっちで勝手に考えちゃって妄想しますよ?
酷な事書いちゃいましたけど、周りの事は比較的良い感じだと思います。
2代目モーフィアスもキャラ的には非常にいい感じで初代と違いましたし、登場人物としては結構お気に入りの部類。びっくりするかもしれませんが、まさかの陽キャラでした。
新しく仲間になった機械たちもお気に入りです。
あと序盤がかなりメタい!
他の方のレビューにあるように監督の不満とかぶちまけたようなセリフ運びやマトリックス歴代作品パロディで、いい意味で面白かったです。ニヤニヤしながら観てました。
中盤に登場するザイオン的な拠点も、復興を歩んでいる途中ってシーンがあって個人的には好みです。
終盤は…まぁ…情けない主人公たちが走り回るということだけあってアレですけど……。
主人公たちは情けないけど、マトリックスという作品の世界はアップデートされていて、総合的にプラス評価、という感じでしょうか。
難点はあれどそこそこ面白かったので、鑑賞料金分ぐらいは楽しめたかなと思ってます。