「まさかの自虐パロディ。20年ぶりの同窓会にようこそ」マトリックス レザレクションズ Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
まさかの自虐パロディ。20年ぶりの同窓会にようこそ
「マトリックス レザレクションズ」(原題:The Matrix Resurrections)
賛否両論まちがいなし。そしてこの作品は偉大なる「マトリックス」(1999)の革新性と唯一無二の存在価値を再認識させられる。
まさかの自虐パロディである。
マトリックスの設定を突き詰めると、開き直りにも似た全否定になった。映画会社(ワーナーブラザーズ)や監督の言い訳を聞かされて、たびたび失笑シーンもある2時間30分。エンドロール後のポストクレジットシーンが究極の蛇足。
けっして観る価値がないとは言わない。「マトリックス」に人生を変えられた人は観なければいけないが、どこまでも超えられない名作の大きな壁を知ることになる。
前3作をすべて観ていない人には、ほぼついていけないはず。どうしても観たい人は必ず前3作を復習してから行くことは必須。もし観ていたとしても、第2作と第3作が消化しきれていないと迷子になるかもしれない。
不変だったのは、ネオとトリニティの永遠のラブストーリー。
まるで20年ぶりの同窓会で、歳を重ねた元カレとの再会。“お互い、歳とったね〜”と懐かしみつつ、終わったはずの想いがフツフツと蘇って、2人でしっぽり。
むかしイケてたオジサンとオバサンのキスシーンに寄り添う時間です。腐れ縁の2人にはいい映画かも。
楽しい正月アクションをお探しなら、『スパイダーマンノーウェイホーム(2022/1/7公開)、『キングスマン ファーストエージェント』(2021/12/24公開)のほうが、あなたを幸せにしてくれる。『呪術廻戦』もあるしね。
(2021/12/17/ユナイテッドシネマ豊洲/Screen10/I-14/シネスコ/字幕:林完治)