「IMAXで観るど迫力コント」マトリックス レザレクションズ ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)
IMAXで観るど迫力コント
トランスジェンダーであることをカミングアウトしたラナ・ウォシャウスキー監督
死ぬほどつまらなかった前作「ジュピター」の製作チームが手掛けるマトリックスまさかの続編はどうなるか!?
さっそくこの日の為に汗水流して稼いだお金をはたいて公開当日IMAXのエグゼクティブシートにて鑑賞!
さあどうなる!?
ちゃんとマトリックスでした!!笑
安心しましたが。ラストシーンのあまりの珍映画、珍道中っぷりに桂文枝師匠並みにエグゼクティブシートからズコーッ!と転がり落ちそうになり、そのままエンディング!!
要するに男性から女性に変わったラナ・ウォシャウスキー監督は「マトリックス」を"彼"(Man)の話から"彼女"(Woman)の話にしたかったんだと思います。
その試み自体は全然良いと思うし、"マトリックス=救世主=男の話"を"女性の話"として再構築するというタイミングは今の時代が合っているのかもしれない
。
それでもトリニティーの決断は果たして本当に彼女の為だったのかすごく疑問に残るし、最後の方まで結局ネオのわがまま、というかほとんど余計なお世話で救出作戦が決行されてるのが、ネオってこんなに自分のことしか考えない人だったっけ?と気になってしまう。
人間栽培用ポッドからトリニティを取り出すとき仲間の機械がちゃんとお胸を隠しているのは笑った。機械達がこんな配慮をするなんて!
あとはマトリックスという前作が偉大過ぎて今までいろんなパロディものが出てきて、今更本家があの世界観を再現してもやはりセルフパロディにしかみえないというのも残念。
追放者(エグザイル)ライフをエンジョイしてそうなメロビンジアン、飛べないネオのくだりや、ネオもトリニティも言うこと聞かず知能指数が0になった機械軍達の決死の人間爆弾作戦など、IMAXで壮大なコントを観ているようだった笑
エージェントスミスの話に関しては前作で3作にも渡って描いておきながら、本作のスミスの超テキトーぶりには笑ってしまう。
これが一番ビックリしましたね。こんなだったら登場させないほうがよかったんじゃないかと思う笑
彼は結局何したかったのかわからないし笑
マトリックスシリーズは個人的には一作目で完結すべきだったと思っている。
機械軍達との戦争編であるリローデッド、レボリューションズは蛇足に感じた。
そしてトドメの本作である。
ネオとトリニティを適度な距離に保ちながら栽培すると原発並みの素晴らしい電力供給が得られるのじゃ!というアナリストこと機械軍代表。ソーシャルディスタンスかーい!と突っ込みどころ満載な脚本。
ネオとスミスが思想は違うけど一緒にゲームとしてマトリックスを作っていて、ワーナー・ブラザースにマトリックス4作らされるというメタ展開はちょっと面白いが、メタ展開やるなら全員オリジナルキャストじゃないとノれませんて笑
本作のように一作目をただのパロディとして消費されるコンテンツにされないように、あの時の映画館で衝撃を受けた思い出を大切にしたい。
MCUに参戦意欲を示したキアヌ・リーブス
ラスト。ネオとトリニティが飛んでいった先はきっとMCUに違いない。気をつけろ!ディズニー!