「自分の父親だったら絶対いや」ドリームプラン せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の父親だったら絶対いや
現在のテニス界で世界ランクの黒人女性プレイヤービーナスとセリーナを二人が生まれる前から立てていた"プラン"を実行して生み出した父親の話。
最初に言っておくと私はこの父親が自分の父親だったら絶対いや。早急に家出してる。"生まれる前から勝手にプランを立てている"というのが本当に本当に胸糞悪い。こういうのってセクハラとかと同じで、やられる側がどう思ってるかで毒親にもなるし良い親にもなるんだな。
リチャードって家族の扱いが完全に会社。経営者としては本当に腕が立つ人なんだろうな。ゲームに勝っても謙虚でいろという社員の教育もしっかりやって、積極的に押し売りする時と引く時のタイミングが完璧。父親としては嫌だけど、普通に人としては理念や思想はめっちゃ共感できるねんな。
これ見方によっては父権主義毒親製造映画になりそうだけど、お母さんの存在でかなり中和されてる。「沈黙と同意は違う」とか「私がここにいるのは信仰と子供のため」とかお母さんの方が名言多かったよね。
特に2人が喧嘩になった時に、リチャードがプランを考えた俺が偉いというようなことを言うのがリアル。いわゆる「誰が稼いでると思ってるんだ」発言って、常に思ってるわけではないのだろうけど口論になった時の切り札に使っちゃうんだろうね男の人って。自分の父親もよく怒ると同じこと言ってたから、このシーンのお母さんの返し本当に胸が熱くなった。
「謙虚でいろ」というリチャードの教えを考えると、日本のかの有名なテニスプレイヤー方めっちゃテニスラケット投げるよね。。黒人女性という立場を背負った試合でのパフォーマンス(?)はかっこいいんだけど。