「思い込んだら 試練の道を〜♪ 毒親と立派な親は紙一重。」ドリームプラン たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
思い込んだら 試練の道を〜♪ 毒親と立派な親は紙一重。
史上最強の女子テニスプレイヤー姉妹、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズの父親、リチャード・ウィリアムズが如何にして彼女達を育てたのかが描かれる、史実を基にしたファミリー・ドラマ。
主人公リチャード・ウィリアムズを演じるのは『メン・イン・ブラック』シリーズや『アラジン』の、名優ウィル・スミス。本作でオスカーを獲得!なお、ウィルは製作にも名を連ねている。
フロリダでテニス・アカデミーを営む指導者リック・メイシーを演じるのは『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『ベイビー・ドライバー』のジョン・バーンサル。
第94回 アカデミー賞において、主演男優賞を受賞!
第79回 ゴールデン・グローブ賞において、主演男優賞(ドラマ部門)を受賞!
第27回 放送映画批評家協会賞において、主演男優賞を受賞!
第75回 英国アカデミー賞において、主演男優賞を受賞!
試写会に当選したため、一足早く本作を鑑賞させていただきました♪
ムービーウォーカーさん、MOVIX日吉津さん、ありがとうございます!
う〜〜〜ん…。本作の感想は非常に難しい。
決して悪い映画ではないし、よく出来ているとは思うんだけども、全く心が揺り動かされなかったねぇ😅
なんというか、ウィル・スミスのドヤ顔が頭をチラついてしまって…。
「どや、これがワイの思い描く理想の家族像や!トレイ、ジェイデン、ウィロー、お父ちゃんはお前らを愛してるで!!!」
というメッセージが映画の裏側から伝わりすぎて、ちょっと冷めちゃった。
予告編を見た感じ、コメディ寄りの映画なのかな、とも思ったが、かなり真面目でストレートに描かれた家族の物語だった。
完全に父親の視点から語られる物語である為、ビーナスやセリーナの活躍が見たい!というテニスファンの人はガッカリしちゃうかも。
また、人種差別を強烈に批判するブラック・ムービーという側面もあり、それがただその要素を突っ込んでいるだけだという訳ではなく、ちゃんとリチャードの行動原理に対する説明になっているという点は非常に好印象でした。
問題はテンポの悪さ。この内容で144分は長過ぎる。せめてあと20分、理想としては30分短ければちょうど良かったと思うのだが…。
正直結構退屈しちゃった。
ゴールデン・グローブ賞を受賞したウィル・スミスだが、特別凄いとも思わなかった。
「久しぶりに見たらめちゃくちゃ老けてるっ!👴🏾」と思ってショックだったけど、インタビュー映像見たらいつものウィル・スミスで安心安心😮💨
むしろ、ウィル・スミスよりも演技的に良かったのはビーナス&セリーナのコーチであるリックを演じたジョン・バーンサル。今のハリウッドで彼ほど信頼できるバイプレイヤーは居ませんね。本作でも素晴らしかった!
今回鑑賞して思ったのは、一流アスリートを育てる立派な親と、自分の価値観を押し付ける毒親は紙一重だということ。
映画の中でリチャードは自分の行いを反省し、娘の意見をちゃんと聞き入れるようになる。
そこを無視して「俺もリチャードみたいな教育熱心な父親になるで!」とか思っちゃいけない。
本作に出てきた登場人物で一番立派なのは、児童虐待を疑って通報したお隣さんなんですから。
15歳で1,000万ドル以上の契約金を稼ぐんだから、プロテニスの世界って異常だわ。
続編として、ビーナス&セリーナが無双するテニス映画を作ったら面白くなるかもね。
※原題は『King Richard』。偉大なテニスプレイヤーを育てた立派な父親としてのリチャードと、独善的で王様のように振る舞う毒親としてのリチャードをダブルで表している良いタイトル。
これをわざわざ『ドリームプラン』とかいう英語の邦題にするのってなんでなん?英語から英語への翻訳とか意味が分からんわ。
オリジナルへの敬意とかないんか?
こういう邦題の付け方、死ぬほど嫌いです。