劇場公開日 2021年10月15日

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「こんなDUNEもあっていい」DUNE デューン 砂の惑星 ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5こんなDUNEもあっていい

2021年10月16日
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本音でいうと落ちそうになった。ほぼレイト。リアルに疲れていたので。ハンスジマーの音楽には圧倒された。でも、本音で言うとリンチ版のほうが好き、とはっきり思えるのは予告編を観ての想像通りだった。悪く言うつもりはさらさらない。僕は『フラッシュゴードン』も大好きなので、結果的にラウレンティスが好きという歪なところがある。リンチ版の『砂の惑星』の未完成な壊れたおもちゃみたいなのはやっぱ好きなのだ。一個一個ケレン味があって。あっちがレトロフューチャーみたいなイラストの出来だとすると、こっちは現代映画。リンチ版のようなやっちゃった感は皆無。よくよく考えればブライアンシンガーによる『スーパーマン』もそうだったけどスマートなのが圧倒的とは限らない。
逆にストーリーはリンチ版と変わんないんだというところはびっくりした。逆にこちらは当たり前だけど衣装も美術もヴィルヌーヴ風で、『メッセージ』と『ブレードランナー2049』の延長線上にあってしっかりした、そしてありそでなかったセンスオブワンダーの中に『DUNE』がある。そして望んでいたようなハードSFの世界が展開されて、さあどうだ、と思ったら意外にヘッポコリンチ版のほうが好き、という。まあこういうこともある。『スターウォーズ』に比べて、ルーカスが原作権とれなかった『フラッシュゴードン』の出来は散々だけど、でも壊れたオモチャ(でも美術はダニロ・ドナティ、音楽はクィーン)でそれはそれで熱狂した。逆に、こんなDUNEもあっていい、くらいな感じのDUNEだった。

ONI