「アダム、よかったね」モロッコ、彼女たちの朝 ミツバチば~やさんの映画レビュー(感想・評価)
アダム、よかったね
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どんなに強い女性でも、自分のことになると、冷静にはなれないんだろうな。
周りの人の観察や、人の心の痛みには敏感なのに、自分は心を閉ざすんだ。
いや、閉ざした訳じゃない。聞く耳を持たなかった人に、諦めてしまったのかもしれない。
素直に助けを求めたくても、それを許さない社会に阻まれてしまう。
それでも、彼女の器用さが、彼女を助けてくれた。こともの頃に教わった、祖母からの贈り物が。
それにしてもなんという暴露療法。
喪が終えていない心に、しっかり寄り添って、本人の力を引き出す強さ。
覚悟がなければできないこと。
言葉も短く、説明もないまま日常が進んでいくけれど、日常のカケラから見えてくる心の機微の描写が秀逸。
この映画が、アダムによってつくられたのでは?と、それからの2人に思いを馳せる余韻が心地よい映画です!
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