パブリック 図書館の奇跡のレビュー・感想・評価
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#51 何も悪いことしてないのに
何故警察や報道が出動するのか? ホームレスは退役軍人だらけと言っていたが、それは心理的な傷を抱えてるからなのか? さらに何故主人公はかつてホームレスだったんだろう? 結構謎がいっぱいだけど世の中悪い人ばかりじゃないって示してくれる映画。
その場所は誰のものか。公共の本当の意味
モノやサービスが溢れる現代、見た目や機能に差のないものを手に入れることでは満たされず、体験というかたちのないものが価値を持ち、所有から共有へとシフトしている。 しかし根本では人間の所有欲は変わらず、今回のコロナ禍でも買い占めというかたちで露呈した。 不景気と言われつつも、企業の内部留保や高齢者の貯蓄、富裕層の資産など一部では金余りが生じ、世界的に格差が広がっている。また飢餓で苦しむ人たちがいるなかで、日本ではフードロスが問題となっている。 お金は天下の回りもので、流通量が変わらないのであれば理論上全員が生活していくための経済は回していけるのではないだろうか。 血液と同じで、誰かがどこかでその流れを止めると滞り、本当に必要としている人たちに行き渡らない。まさに相田みつをの名言の通り、「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる」である。 お金は信用であると同時に投資した時間の裏返しで、まさに消費するために人生で最も貴重な時間を消費しているという負のスパイラルが起きている。 反対に、何も持たないことは自由であると、この映画のホームレスたちは身体を呈して訴えている。 ただ、学びによって得られる知恵はどれだけ持っていても邪魔にならないし、未来につながる投資である。それを富める人も貧しい人も平等に享受できる拠り所が図書館だったはずだ。恵まれない境遇に生まれた人たちが立ち上がるため武器でもある。 そして、最たる所有の権化は「権力」と「メディア」の利己主義である。 それに立ち向かう彼らたちが砦とする図書館はまるでひとつのまちのようだった。これが本来の人々が支え合う暮らしの理想形なのかもしれない。 強いて言えば、テーマは鋭く、それを本に重ね合わせてストーリー(コンテキスト)で包むのは素晴らしいが、刑事と息子の物語や、クライマックスへ向かっての展開がもう少し深みがあると良かった。 本当に生きていくために最低限必要なものはなんだろうか。深く考えさせられる作品だ。
図書館員の視点とホームレスの視点の双方から深く考えられる映画
大寒波で死の危険に晒されたホームレスたちが一夜を凌ぐために図書館を占拠し、図書館員も巻き込まれ、様々な決断を迫られる物語。 図書館なのだから閉館時間が来れば退館しなくてはならず、無理やりに残ればそれは不法行為になってしまう。 「外に出れば死んでしまうかもしれないのだから、認めてあげればいいじゃない」と思う人もいるだろうけど、そう単純に解決できない難しい問題。 公共の場というのは、それぞれに与えられた役割があり、本来の役割を超えたことを行い前例を作っては収拾がつかなくなってしまう。 そんな状況に巻き込まれた図書館員スチュアート。 図書館員としての職務を全うすべくホームレスを追い出せば、彼らは凍死してしまうかもしれないし、ホームレスたちが図書館を占拠することを認めれば図書館員としての立場が危うくなるかもしれない。 まさに彼方を立てれば此方が立たず状態。 スチュアートの葛藤や決断に目が離せない物語だった。 "Make some noise!"そう叫ぶホームレスたちからは 声をあげることの意味を考えさせられた。何かしても現状は変わらないかもしれないけど、その何かをしないよりは生きるために声をあげること、 この映画を観た多くの人が言うようにBLMが問題となっている今の世の中に深く刺さる。 本来の職務からはかけ離れたことを行うことになった図書館員の視点と 生きるために声をあげるホームレスたちの視点のそれぞれにテーマがあり、観る人に考えるきっかけを与えてくれる。
行動を起こすことが社会を変える。
The Public というアメリカ映画
The Way以来久しぶりのエミリオ エステベス監督の映画
このThe Publicも公共の図書館を使う立場又は提供する立場でどこまで個人の権利が反映されるか。
これはこれからもっと多くの課題になるだろう。
スチュアート(エミリオ)はホームレス経験者で本に救われたといってるが図書館で読んでいた本が教養や人格を高めそれに救われ職にもありつけたという意味だと思う。それに、人の気持ちをわかってあげられる上司になり、リーダーにもなった。図書館という場所は、人を救ったり、人に救われたりする。
私の学校に『高速対容量通信ネットワーク』のネットワークマネージャーというか、中心人物がいた。彼はホームレスだったので、高校を卒業していなかった。ホームレス中彼は図書館に通い、コンピューターのことを図書館にきていた高齢者におそわったらしい。この高齢者は自分のコンピューターの知識を伝授し、ネットワークマネージャー、私の友達は、高校卒業の資格をホームレスをしながら取った。その後、どう経歴を経たか、私は忘れてしまったが、大学は行っていないのは知っている。それで、当校でネットワークマネージャーのポジションを取った。図書館には勉強部屋というグループで勉強できる部屋や会議室があって無料で借りられる。多分、そういうところで彼は高齢者におそわったに違いないが、日本の図書館では良く高齢者は図書館で帽子を深くかぶって昼寝をしていたり、一人で黙々と新聞を読んでいたりする。あくまで私の経験だが。
この映画の中であるホームレスの人は図書館で全裸で歌を唄い出す。
ちょっとと思うような人もいるが私の経験上全員といっていいほど椅子に座り新聞や雑誌を読んだりコンピュータに向かって映画を見たり新聞を読んだり音楽を聴いたりし読み物を読んでいる。大声で話したり怒鳴ったりしている人は稀である。ホームレスの多くは、大荷物を持って図書館の椅子に座って、何かをしている。そして、開館時間にいくと、映画の通りにホームレスの人は入り口で待っている。冬は待たせて申し訳ないという気持ちになる。
ある図書館のミッションは『Our library is for everyone. We are a free resource helping our community connect, create, and learn.』
スチュアートともう一人の職員が追い出したホームレスは体臭が強くほかの客の不平でやむ得なかったようだ。これが公共機関における個人の権利で訴訟問題に発展し図書館は訴えられることになる。
個人的な話だが、私は図書館で誰かが小便を漏らしてある椅子に座っていたことがある。何か臭うなと思った時はもう遅く、慌ててうちに戻って、服を着替えた。この人は小便を漏らしていることに気づかず図書館の椅子に座ったのかもしれない。
米国オハイオ州のシンシナティでホームレスのシェルターが不足している。冬の寒空は路上生活にとって厳しく 宿泊施設を増やしてほしいというの声を市や州政府に向けて発したことが素晴らしい。
一般論だがホームレスだけの声だけでは弱いがホームレスと結局は公共の図書館である市の職員室が立ち上がったことになるので力になった。問題があればそのままにしておかず大声あげて動けというのがエミリオのポイントの一つで各大都市のホームレスシェルターについても問題点直視を促している。
個人的に 図書館は私にとって憩いの場である。それに、例えばユタ州のソルトレイク市などを訪問すると必ずといっていいほど、市立図書館に行ってみる。それが建築物が目的だったり、行事だったり、数多くの楽しみ方があるから好きだ。特に『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』映画を見てからは図書館での多目的な多様性のとんでいる行事とサーキュレーションの機械が人々が返した本をどう分配していくかに興味があった。そして、すぐ申し込んでボランティアで働き出した。実は私は教員なので、それほど時間がなく長くボランティアはできないが、このポジションが取れた時は天にも登る心地だった。コロナ感染で図書館が閉館する前までは、子供セクションで本を種類別に分けたり、古本のセールを手伝ったり、特別行事を手伝ったりしていた。憧れの、サーキュレーションの舞台裏の本を配分する機械も見せてもらった。それに、朝早く誰も図書館利用者がきていない時間に職員の入り口から、利用者の入り口の広場に入るとき説明できないほどの幸せを味わった。
タイトルなし
オハイオ州シンシナティ 大寒波 シェルターは満杯 行き場を失ったホームレスたちは 命を守るため図書館を占拠した 図書館員のスチュアートは 彼らと行動を共にする . 政治的イメージアップを狙う検察官 ルールを遵守し追い出す側となる警察 リアルとは掛け離れ より"センセーショナル"なものを求める メディア . "声をあげる" "声をきく" 言葉で 非暴力で伝える "怒りの葡萄"から言葉の引用 ユーモアもあるラストシーン 公共施設の図書館は 差別なく機能する場・民主主義の柱 公共性を持つ空間のあり方を 考えさせられる
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