劇場公開日 2020年7月17日

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「単純明快だが深い。人としての在るべき姿とは。」パブリック 図書館の奇跡 門倉カド(映画コーディネーター)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0単純明快だが深い。人としての在るべき姿とは。

2020年12月15日
PCから投稿

単純

知的

寝られる

【賛否両論チェック】
賛:図書館へと身を寄せ合う人々の物語が、どこか温かく描かれていくのが印象深い。命や差別の問題等、思いのほか考えさせられる部分も多い。
否:特にひねりのきいたストーリーでもなく、とにかく淡々と進んでいく感が否めない。全裸のシーンもあり。

 大寒波から生き延びるために、やむなく図書館へのろう城を決めたホームレス達と、ひょんなことから巻き込まれてしまった職員のスチュワート。彼らを取り巻く検察官やメディアの思惑が交錯していく外の喧騒をよそに、図書館へと寄り集まる人々の人間模様が、温かく描かれていくのが印象的です。
「図書館が権力の枠組みを超えて、“人々の命を守る場所”へと変わるなんて、どこか『図書館戦争』なんかと通じるものがありそうだなぁ・・・」
なんて、勝手に思ってしまいました(笑)。
 ただ、そんなヒューマンドラマの割には、ストーリーがものすごく淡々と進んでいく感も否めません。ラストもかなり呆気なくて、全裸のシーンもあったりします(笑)。
 それでも観終わった後には、命や偏見・差別、そしてそんな世界での自身の在り方について等々、思いのほか深く考えさせられるような、そんな作品といえそうです。

門倉カド(映画コーディネーター)