「ワンアイデアだけの映画かと思っていたら、意外におもしろかった…」パブリック 図書館の奇跡 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)
ワンアイデアだけの映画かと思っていたら、意外におもしろかった…
図書館だけでなく、政治や警察などにも伏線は張られ上面だけの映画にしていなかった。何よりも主人公の造形がいい。エリートでもないし、堅物でもない。人の気持ちがわかる自然体の図書館員。また、図書館に寄せられるありとあらゆる分野のさまざまな質問、レファレンスの数々をまるでバックグラウンドミュージックのように流しているのもいい。最初は力を貸してくれないかに見えた館長もすてきだ。名言を吐いて参加してくれた。『怒りの葡萄』の引用もかっこよかった。ホームレスの人たちもそれぞれで、権利を振りかざすのではなく、生き抜くことを大事にしている。アメリカ映画だから最後は突入を免れないと思っていたら、思いもかけない結末を用意してくれていた。力づくでもなく、かと言っていわゆる降伏でもない終わりを… 登場人物誰もが、敵対していても、悪役としては描いていないところが好感を持てた。キャストも渋かった。ジャック・ライアンにアドソ、フェリックス・ライターまで出ていた。ブラット・パックの雄は最近冴えなかったが、どっこい生きてて、うれしい限りだ。
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