「寒さを全く感じないのだけれど?」パブリック 図書館の奇跡 たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
寒さを全く感じないのだけれど?
図書フェチのカミさんに付き合って観たのだが、こんな地味な映画なのにこの1年ほどお目にかかったことが無いくらいの観客が入っていて驚いた。埼玉では新都心のMOVIXでしか公開していないという事情もあるのだろうが・・逆にこれだけニーズがあるのならもっと多くのシネコンで上映してしかるべきであろう。思っていたよりエンタテイメントで「公共」とは何かという問題について考えさせられる良い映画であった。しかし決定的に許せないのは路上で凍死者が出ている程の「寒さ」が全く描けていないこと。本を読んだり資料を調べて知識を得る権利が万人に保障されるのは当然であるが、シェルターとは本来の目的が違うだろう。緊急のシェルターとして使われて然るべき施設だとは思うが、図書館に泊めてくれなけりゃ凍え死んじゃうよという切実さが無ければいくらLives Matterだと言われても説得力が無いのだ。それにつけても今回のコロナ禍でいち早く図書館が閉鎖されたことを想起する。図書館は不要不急なのであろうか?
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