「こんな雫と聖司の「その後」が見たかった?」耳をすませば ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな雫と聖司の「その後」が見たかった?
ジブリアニメの「耳をすませば」は大好きな作品である。あの年頃の気持ちの揺れ動きが、美しい映像と楽しい音楽で描かれている。聖司と雫がそれぞれの夢を自覚して人生のスタートラインに立つという所で終わっている。作品としては完結しているし、あえてその後を見たいとは思わない。たいてい、夢は夢のままで終わるし、初恋ははかない思い出になる。しかしアニメの世界観をまた味わいたいという期待から映画を見た。
「その後」については、二人の将来の姿や関係性について描き方はいくつも考えられる。この作品はアニメの世界観を大切に、かなり納得できる「その後」を描いている。現実の厳しさは当然であるが、それに負けずに夢を追い続け、10年も遠距離でお互いを思いあっている。まさにアニメの世界がそのまま継続していると感じさせる。中学生の二人と大人になった二人が一緒に「翼をください」を歌う姿はこの映画のテーマをそのまま表しているように感じてとても良かった。お互いに「大丈夫、夢をあきらめないで」と言っているようである。結論を言えば、続編をあえて作る必要はないが、月島雫と天沢聖司のこんなその後の姿が見たいというスタッフの思いが詰まった作品である。
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