「ジブリ版のファンです。本来の公開日からこの日を待ち焦がれ、満を持し...」耳をすませば 枝豆さんの映画レビュー(感想・評価)
ジブリ版のファンです。本来の公開日からこの日を待ち焦がれ、満を持し...
ジブリ版のファンです。本来の公開日からこの日を待ち焦がれ、満を持して映画館に足を運びました。
個人的に大満足の内容でした。中学生時代に約束しあった互いの夢と2人の結婚、それぞれに言及していた点で、ジブリ版で空想の余地があった部分の答え合わせができたのではないでしょうか。またキャスティングに非常に満足しています。特に中学時代の回想シーンは雫たちがアニメの中から飛び出してきたようにさえ感じました。ルックスはもちろん、セリフの抑揚や間の取り方、カメラワークまでかなり忠実に再現されています。
しかし、イタリアで現地人とのいざこざをどう解決したのか、別れからプロポーズまで雫の感情の変化があまりに単純じゃないかなどと、疑問が残る点もありました。物語の最初の読者がおじいさんではなくなっていたことも残念でした。あとはやっぱりバイオリン職人のままがよかったかな。でもオーケストラで高音を担当するバイオリンから中音〜低音を担当するチェロに変更されていたことで、大人になるにつれ色々なことを経験し人生に深みが増している状態を示していたのかな、、、なんて思ったりもしました。考えすぎですね笑
なぜ「カントリーロード」ではないのか。ジブリ版は雫が恋愛を通して自分の夢を見つけていく過程であるのに対して、実写版はその夢や恋がうまく進んでおらずイマイチ自分の心に素直になれていない状態が描かれています。そこに「翼をください」をタイトル曲にすることで、彼らが生活の中で感じていた呪縛を翼が解いてくれる、その存在はお互いであると意味が込められていると解釈しました。
各シーンのセリフを覚えてしまうほど見ていたため、雫たちの「その後」が知れて大満足です。