「見失った夢を探す物語」耳をすませば haginoさんの映画レビュー(感想・評価)
見失った夢を探す物語
10年後の雫は出版社で働きながらも、作家と向き合えず、自分の気持ちを押し殺して、自分の思っていることが言えなくなっている。
最初の頃はそうではなかったけど、なぜそうなったのかなあとは思ってしまった。
また、カントリーロードを期待してしまっただけに、「翼をください」なの?とちょっとがっかり。
でも映画の内容とは合っていて、好きな曲でもあるので、編曲もよかった。
中学生時代の二人は、初々しい。すこし演技に不自然さというか無理さはあるかな。そこが少女まんがっぽくはあります。今だとあんなことしないし言わないんだろうなー。スマホとかない時代だからこそ何感じかな。
それはなんか懐かしかった。
中学時代と今の自分が交差して、思い出しながら元々の自分を取り戻していこうとする。ジブリにあったような猫ムーンが電車に乗るシーンとか、リアルで見るとまた可愛いです。
イタリアまで聖司に会いに行って、ガールフレンドと仲良さげなところ見ても、そこは何も言わないのね。
そこで思ってること言った方が、この映画の内容には合ってた気がする。2日目の広場でのコンサートもどうだったのか気になる。結局聞いてないの?帰っちゃったの?一方的に別れを告げたの?
何も描かれてないから、物足りない。
聖司のバイオリンに雫が歌うところは良かったんだけどなあ。
聖司が、街の中で奏でる音楽がとてもよかった。
一人、また一人と参加して楽しく演奏するのを聴いて涙が出ました。
ラストは、オープニングと同じシーンになって、太陽に照らされる二人の影がとても綺麗!
そーくる?とは思ったけど、まあ10年だもんなあ。
そう考えるとありか。
でも純愛な感じでほのぼのしました。
芸術は心の栄養だなーと改めて感じました。