劇場公開日 2022年10月14日

「宮崎駿が主題歌に込めた意図が無視された」耳をすませば Michiさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5宮崎駿が主題歌に込めた意図が無視された

2022年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1995年に公開されたジブリ作品では、オープニングで、「カントリーロード」が採用され、先日亡くなってしまったオリビア・ニュートン・ジョンの歌声が流れました。これは、"Take Me Home"の曲名の様に、疲れた社会人が、住み慣れた故郷に思いを寄せる内容です。曲が終わると、自分の進路に迷い、どこか気弱になっている月島雫が都会の象徴であったコンビニから出て来ます。
しかし、ジブリ作品のend rolで流れた曲は、月島雫が歌う「カントリーロード」です。「ひとりぼっちを恐れずに生きよう」「この道が故郷に続いても、僕は行かない、行けない」とオープニングと真逆の内容です。天沢聖司と知り合う事で、作家になる事を夢見て、ここ東京で頑張ろうとする月島雫の強い心意気を宮崎駿は、表現し、同時に、「今後、挫折しても夢を諦めないでね」と応援しているのです!
今作の主題歌「翼をください」は、残念ながら、10年経って挫折や世の中の不条理を経験した月島雫の応援歌には成り得ない。
ただ、私の個人的な見解を申し上げるのならば、夢を追い続ける事は大切ですが、夢を諦める事も同じ位大切だと思います。諦める事で、見えてくる世界もあり、新たな夢を抱く事ができるからです。
最後のend rollで、スタジオジブリが当該作品の制作に協力していた事が
わかりました。さすがだね!
Michi

Michi