「石田えりの堂々とした台詞回しに感服」G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ 清藤秀人さんの映画レビュー(感想・評価)
石田えりの堂々とした台詞回しに感服
『G.I.ジョー』の謎めいた忍者、スネークアイズの誕生秘話を、カナダのバンクーバーをメインに、日本の姫路、大阪、茨城で2ヶ月間ロケして作り上げた、ハリウッド映画史上最大規模の日本ロケ作品。日本の秘密忍者組織"嵐影"への入門を認められたスネークアイズが訓練に励むのは姫路の圓教寺で、"嵐影城"の外観は岸和田城で中にある謁見の間は姫路城。スネークアイズがビルの屋上から見下ろすのは大阪の京橋さくら通り、だったりする。
しかしなぜか、ハリウッド映画の手を介すると無国籍ムードが全開に。そこがこの物語にマッチしていて、最後まで細部を突っ込む気にはなれなかった。生粋の日本人をはじめ出演しているアジア系俳優たちも、本物なのに作り物に見える背景をバックに躍動しまくる。英語のレベルも様々で、特に、還暦でハリウッドデビューを決意したという石田えり("嵐影"の女頭領役)の、実に堂々とした日本語英語に潔さを感じた。日本人が日本人を演じるのだから、映画の国籍はどうであれこれでいいのだ、という心意気が、演者と役を同時に輝かせているのだ。
そんな風に意外な収穫があった『G.I.ジョー』のリブート版。トミー/ストームシャドー役のアンドリュー・小路もかなりカッコ良かったです。
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