「【近現代史を"資本"の在り方を通して描く。"中産階級の没落"がもたらす格差の拡大に警鐘を鳴らす作品でもある。】」21世紀の資本 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【近現代史を"資本"の在り方を通して描く。"中産階級の没落"がもたらす格差の拡大に警鐘を鳴らす作品でもある。】
「原作既読」
・物凄く、ザックリ言うと、”資本収益率は経済成長率を上回る・・”。
”このまま、行き過ぎた資本主義を野放しにしていると、18~19世紀のような大格差時代に、逆行してしまうよ・・”という危惧を、当時の定量的なデータが皆無のため、トマ・ピケティが苦労して、纏めた結果あのような分厚い作品になった・・。
・このドキュメンタリーが面白くて秀逸なのは、かの長き経済本の内容を、
「高慢と偏見」「レ・ミゼラブル」「ウォール街」から果ては「エリジウム」(大格差社会の未来を描いたSF映画)の映像や、
面白きアニメーション「ザ・シンプソンズ」を使って、行き過ぎた資本主義が現代社会にもたらしている事象とそれに伴う格差社会の拡大に対する懸念を分かり易く描いているところであろう。
〈民主主義的に資本主義の暴走を抑え、21世紀は、18~19世紀のように1%の資本家が99%の労働者を搾取する世界、人種差別・大格差が蔓延る世界に戻してはならない、というトマ・ピケティの思いを分かり易く描いたドキュメンタリー。
現実的に格差社会、低移動社会が身近になって来ている事、AI社会がもたらすだろう格差に言及しているところも、秀逸だが、恐ろしさを覚える作品でもある。。〉
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