「高慢な資本主義の未来は暗いのだろう」21世紀の資本 ぐちたさんの映画レビュー(感想・評価)
高慢な資本主義の未来は暗いのだろう
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格差が拡大している。
資本を持つ者に富が集中している。
資産、所得の格差は拡大し固定されてしまう。だから、その解決のために、資産や所得に課税して再配分する必要がある。
具体的には、一つは資産への課税。相続財産には相続時だけでなく課税して再配分する。もう一つは多国籍企業への課税。
トマ・ピケティが示す問題意識と解決策は、こういうことである。映画を見て私が大ざっぱな頭で理解したところは。
格差が拡大していて、勤勉や努力が報われない社会になりつつあること。
格差が固定してしまうと社会が不安定になるということ。
問題意識の部分は体感的に理解できる。
しかし、徴税の技術的なことはよくわからないが、提示された解決策の実現はいずれも難しいであろう。解決できなければどういう未来が我々を待つのか。20世紀には、ドイツがイギリス、フランスに挑戦し、2度の戦争に至った。21世紀になって同じようなことが起こるとは考えたくないが。
昭和の、がんばればよりよい未来が待っていると疑いなく信じることができたころは、今思うと幸せであった。
あのころ資本主義がよいものだと思えたのは、共産主義というライバルを意識して資本主義の側が努力したからかもしれない。そして、ライバルが消滅した資本主義は高慢になり、タガが外れてしまったのだろうか。
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