劇場公開日 2020年3月20日

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「これ以上難しくなると理解できません…」21世紀の資本 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0これ以上難しくなると理解できません…

2020年6月3日
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鑑賞方法:映画館

かなり厚く、かなり難解と聞いていたピケティの原作は未読のまま鑑賞。
資本主義のアンチテーゼ(元々は発展形態)として社会主義が誕生。結果、社会主義は失敗に終わったのだが、資本家だけなく労働者にも利益を分配する社会主義的な要素を取り入れることで資本主義は生き残ってきた。しかし貧富の格差が拡大しており、新たな資本主義の形態もそろそろ限界に来ているというお話。
莫大な利益を得ている企業から税金を徴収しづらい仕組みになっているのは日頃感じていたことだったので、ピケティが提唱する富裕層への課税強化は納得のいくものだった。富の集中を解消すべしとの論はわかるが、世界の資本家たちがこれを受け入れることができるかどうか。かなり疑問が残る。
現代社会では革命という暴力的な手法で社会を変えていくことは現実的ではないことも踏まえ、民主的なやり方でと主張していたのは好ましい。
個人的には、別の学者が言っていた、現代の資本主義は労働を搾取しなくなっていくという発言(そんな内容の発言だったと思うがうろ覚え)は結構衝撃的だった。資本主義の未来もテクノロジーなしでは語れなくなっているんだな。たしかに21世紀の資本だ。

kenshuchu