劇場公開日 2021年5月15日

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「歴史知識を入れて鑑賞することをお勧めします」グンダーマン 優しき裏切り者の歌 バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0歴史知識を入れて鑑賞することをお勧めします

2021年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

あぁ、後悔。
僕がドイツについて不勉強、歴史知識が少ないため、
なんとなーく。。。な感じになってしまいました。

東ドイツの歴史、西ドイツの歴史、
シュタージ(東ドイツの秘密警察)とは?その活動内容は?
ドイツ再統一後の庶民への影響、などなど、
この歴史的背景がこの物語の中で生きる
人間達の人生を大きく左右しますから、
背景を十分に理解していたら
もっと興味深く鑑賞できたかも?と残念に思ってます。

きっとそれらのことを知っているという前提で作られている
作品ではないだろうか?と思います。
ですから、これからご覧になる方は、当時のドイツ情勢を
頭に入れておいての鑑賞をお勧めします。
特にシュタージは知っておいたほうが良いです。
(被害調書、加害調書というものがどういうものか?
 知っておいたほうが良いです)

さて、作品ですがドイツ再統一前後を描きます。
時代感を映し出すその映像は、当時のドイツ(東)を
十分に映し出しているのではないでしょうか?
炭鉱の迫力ある描写は凄かったですね
グンダーマンの再現度(歌含め)に負けず劣らず
時代の再現度は高いです。

みんな国や自分の生活、仲間達のことを思って
生きているのですが、せつないかな、ボタンの掛け違え
って発生しちゃうのですね。
悪気はない前向きな活動。
・・・けど思想が違う、システムが違う、体制が違う。
違うから、求めることがズレていく。
それと、この悲しい限りの告げ口システム。。。。
管理社会=不信社会・・・あぁ嫌だ嫌だ。
つくづく・・・戦争がなければ良かったのにね・・・

本作はグンダーマンを通して当時の国が政情が
もたらした悲哀と「ある虚しさ」を描いていると
思います。繰り返してほしくないという願いも
含まれているのではないでしょうか?

テーマや描いていることはとても興味深いものです。
しかし、統一前後の描写が切り替わるのですが、
僕は違いがぱっと見で判断できなかったので、
いつの話だ???と混乱してしまったことや、
やはりグンダーマンの心情、行動の動機が
描ききれていないような気がするのです。

優しい愛あふれる人であることはわかるのです。
また、とても仲間想いで自身の主張のためには
体制にも物おじしない。そして国を考えている。

じゃぁ、どーして?そんなことしたの?
両極端のことやってるけど、その心情は?
わかっててやってるのに、よく平気な顔で
歌歌ってるね。。。
この辺りが僕はスッキリしませんでした。
そこが知りたかったのになぁ。
ただ、国のために、党のために・・・では片付けられない
もっと複雑なことがあったように思うのですが。
その点の描写に不満があり、全体的な厚みを感じれ
なかったのです。

ちゃんと前情報入れて鑑賞したら感想も
変わるのかもしれませんが、現時点では
この評価です。

バリカタ