劇場公開日 2020年3月20日

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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のレビュー・感想・評価

全174件中、161~174件目を表示

4.5三島由紀夫さん

2020年3月21日
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鑑賞方法:映画館

やっぱすごいです!
相手を否定することなく自分の考え方を伝えるのって素晴らしいことだと感じました。
鼻筋がとっても素敵だと思いました。
あっという間の2時間でした。

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かん

5.0解放区

2020年3月21日
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このドキュメンタリー映像を観ていると、右翼対左翼、革新対保守というテロップが流れたのに、全共闘と三島由紀夫が対立関係だったとは決して思えない。

芥正彦と三島由紀夫の議論に、観念的と言って割り込む学生がいたが、確かに……と思う反面、もっと、この場面を長回しで見せて欲しいと思ったりする。

そこには「言葉」の意味が支配する議論があった。

毎月の最後の金曜日の深夜の〇まで〇テレビとか、元知事とか元議員とか自称国際政治学者なんかの政治討論より、よっぽど頭の回転数が上がるし、こっちの方がクソが付くほど面白い。

胸が高鳴る。

この時代は、確信など無いのに、未来が手の届くところにあったようなイメージだ。

そういうことを考えると、あの教室には「解放区」が確かにあった。

小説や舞台よりも体感的な解放区だ。

彼らが云う暴力は、僕らが忌み嫌う暴力ではない。

何か変革を求めて迸(ほとばし)るエネルギーが器に収まりきらなくて溢れたようなものだろうか。

そこには、何か因習を破壊しようとするエネルギーはあるが、人を傷付けたりすることが目的のものとは違うのは明らかだ。

三島由紀夫は、全共闘に天皇をどうして欲しかったのだろうか。

そこは分からずじまいだった。

ただ、昨年の愛知トリエンナーレの昭和天皇の写真をフェイクの炎で燃やす映像に、親の教育が云々とか、道徳上どうだとか、情でしか話をしないコメンテーターや落語家を思い出して、今、僕達の周りには「解放区」はないのだと改めて考えてしまう。

Twitterに溢れる短いだけで、行間を読むのもままならないバカ丸出しの文章のやり取りや、匿名に隠れた誹謗中傷やウソ・フェイク(ただ、僕のフォローしてるアカウントはそんなことはないですよ)。

言葉の意味を間違って使ってても平気な恥知らず。

解放区どころか言葉に重さもなくなっている。

言葉が意味を持って交わされて初めて、「解放区」に繋がるのではないか。

意味を知って言葉を使うのは人間だけだ。

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ワンコ

3.0結局、現状不満打破もがき

2020年3月21日
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興奮

作品に関しては、NHKスペシャルの域を出ずかな。面白かったけど。
蓋を開けてみれば、属国化したアメリカさんの言う通り権力に、我慢ならんという幻想で共通という。
観念か行動かの二元論とか、そういう短絡化した世界で現状不満打破をもがく精神性は未熟。出口を自ら人工的に作り出して飲み込むより、そりゃ他無いよね。
大正的知識人なるものが、知見、専門、身分化した権威など、虚構で力を行使は認めんとする気持ちは分かるけど、オレは行動で責任持ってるというのも、やはりイマイチで、知識や言語記号に依存してるのは、大差ないですよ。
丁々発止の議論は面白かったけど、結局はああやって「スタイル」に飲み込まれた者同士の自分探し。それは三島も楽しかったと思いますよ。
一方は革命で逆転、一方は行動という名の暴力を自他に向ける形しか見つけられなかった。
皮肉にも立場とかプライドがなければ共闘すら可能かもと思わせる、対話、議論、理解が、ここにあった。
そこをきちんと切り取ったという意味で、この作品は十分な価値があると思う。しかしまぁ、おじいさん方はそのまんまというか、変わらない事で。イデオロギーも保守革新?も右左も現存して、大きな枠組みは今も変わらず。そりゃ日本も成熟せず、精神文化も発達しないよね。
学生は、まず何かに染まらないように!不安だけどね。スタイルより自己思考の反証を身につけないと、流行りに流されて何も残らないよ。

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ytoshik

3.0ナレーションの東出が下手すぎ

2020年3月21日
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驚くほど滑舌が悪く下手くそなナレーションにムカムカしました。不倫発覚しなくても東出は芸能界にいらなかった。
映画は面白かったです。

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承太郎

4.5おもしろかった(雰囲気)です

2020年3月20日
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芥正彦と三島由紀夫の会話は正直何を話してるのかまったくわからなかった。でも、瀬戸内寂聴が「三島由紀夫は天才」発言を確保するための要員だったようにしか見えないのはわかりやすく面白かったです。

最後、元全共闘の人が「敗北についてどう思うか?」みたいなことをインタビュアーに聞かれたとき、完全に真顔になったのがちょっと怖かった。

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びぃ

4.0知的闘争だな

2020年3月20日
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鑑賞方法:映画館

本来テレビ向けの企画だったはず。三島はいつまでも若いが、全共闘も楯の会会員もすっかりおじいさんやな。ただ頭脳は衰えず、眼光の鋭さは失われていない。今のネットスマホの東大生でも下の部類の奴は、この映画の議論理解できんやつ多いやろな。間違いなく東大生は学園紛争の時代より劣化しているからな。三島の天皇、国家への思いが伝わってきた。もうほぼ翌年の構想はあったのだろう。

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良純

4.0イメージが変わります。

2020年3月20日
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三島由紀夫に興味があり、そして全共闘にも興味があり、その両者の議論というものに殺伐としたものを観る前は思っていましたが、とても深い議論に魅了されました。特に三島の丁寧な応対にやさしさも感じました。
もし今生きておられれば、意見もそうですがはなしを聴きだい、したい、そう思える映画でした。
言葉で人を変える、私も一端をかじることが出来るように生きていきたいと思いました。

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ごぶさん

5.0今年の日本映画は『37セカンズ』とこの一本だけでも歴史に残ると思う

2020年3月20日
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鑑賞方法:映画館

【三島由紀夫の昭和天皇への思いについての考察】4/1追記

最近読んだ『9条入門』(加藤典洋)。
大雑把に言えば、護憲派、改憲派がずーっと議論してきた憲法9条は、実は象徴天皇についての1条とセットで成り立つという仮説を300ページ強をかけて根拠をあげながら推察していくスリリングな論考です。

帰国後の大統領を目指すマッカーサーには占領統治を手際良く終結させたいという思惑があり、早期の日本国民の統制のためには天皇を戦犯として裁くわけにはいかない(もし、天皇を絞首刑にしたら、各地で反乱が起き、占領政策が進まなくなる)。そして、天皇を裁かないことに納得出来ない他の連合国への交換条件的な意味合いで、世界に類を見ない自衛権まで放棄する内容の9条が必要だった。
(他にも色々な要素が複雑に絡み、もっともっと深く楽しめます。くれぐれも、なんだ、もう分かったから読まなくてもいいや、などと思わないでください。著者に申し訳が立ちません)

マッカーサーやGHQに利用されることと引き換えに処刑されることのなかった昭和天皇。東條英機ら7人の戦犯の処刑の報に涙した時の天皇の思い。理念だけでは国を守れないことを冷徹に見定めて、マッカーサーの呪いを解いた日米安保条約の前の決断……。
当時の昭和天皇の本心は誰もわかりませんが、もしかしたら、三島由紀夫さんはこの本で語られる文脈とは違う形で直観的に見抜いていたのではないか。
映画では学習院高等科卒業時の昭和天皇の姿勢に打たれたと語られていましたが、そんなことも影響していたのではないか、と思えるほど説得力のある論考でした。興味のある方は是非ご一読されることをお勧めします。
(以上、2020年4月1日)

ひとりの命がけの覚悟を持った人の振る舞いから何かを感じて欲しい。

これは、あくまでも個人的な願望です。
でも、なるべく多くの、できれば若者に、この映画を見て何かを感じて欲しい。
心からそう思いました。

戦後史や政治思想や哲学的な解釈など色々と複雑で難解な論点がこのシンポジウムに含まれていることは、内容はさっぱり理解できない私でも分かりました。

でも、この映画で最も感動したのが、三島由紀夫さんのどこまでも誠実な人間性です。

・自分の考えを分かりやすく伝えようとする姿勢
・相手の発言を最後までしっかりと聞き、理解しようとする姿勢(相手の考え方に対しての先入観があると自分に都合よく解釈してしまうことは日常的にありますが、三島由紀夫さんは相手の立場で理解するようにしていました)
・自分が抱える、理屈では語れない部分のバックボーンを晒してそれが議論の上では弱点になることがあると分かっていながらも潔く認める姿勢

そして、それらのすべては相手へのリスペクトがあるからこそだし、『言霊』という表現には、自分が何を発言しようがその場限りの発言なので責任なんてない、という不誠実さがもしあるのなら、それは将来的には自分自身を損ねることになるんだよ、という意味での若者への愛情を込めた警句なのだと、私は受け止めました。

(忘れないうちに追記)

序盤の方で、三島由紀夫さんがモーリヤックの小説からの引用の後、『諸君も体制の目の中に不安を見たいだろう。私も見たい』というようなことを言ってましたが、今は国民の大多数、特に若者の方が目の中に不安がたくさんあります。
長期安定政権の有用性自体は否定しませんが、為政者に絶えず不安を与える程度の国民の意思が無いと、モリカケ問題やその他の諸問題がみな、何もなかったことで収束しているのも事実だと思います。
三島由紀夫さんはもっと観念的な不安のことを指してるのだと思いますが。

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グレシャムの法則

5.0【"熱と敬意と言霊" 】

2020年3月20日
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泣ける

知的

難しい

 ー 1969年 ”政治の季節” に "あやふやで猥褻な日本の現在" を憂いた者達の、各々が寄り添う思想的背景の大きな乖離を乗り越えた討論を映し出したドキュメンタリー。ー

 ・彼らの、時にユーモアを交え、時にハイレベルな知識に裏付けされた討論をする姿、内容に一気に引き込まれる。

 ・その姿からは、彼らが如何に当時の日本の状況を憂い、真剣に行く末を考えていたかが良く分かる。

 ・それにしても、当初、三島由紀夫を論駁してやる、と息巻いていた駒場キャンパス900番教室に集まった1000人を超える学生たち(と、彼の身を案じた一部の楯の会メンバー)の緊張感が、芥正彦が幼き娘を抱きかかえながら登場し、”三島さんは敗退してしまった”と言い放つシーンで最高潮に達した時も、

 <三島由紀夫の、近い未来の”自らの死”を覚悟した上での余裕なのか、
  自らと思想的背景は違えど、日本を憂う若者達の姿を近しく思ったのか・・>

 ・終始、微笑みを浮かべながら熱い湯に浸るかの様に、東大全共闘の論客たちと”実に愉しそうに”煙草を分け合い、会話する三島の姿には瞠目した。
 そして、彼の丁寧な言葉遣いや態度に、緊張感が徐々に解れていく学生たちの表情も印象的である。

 ・三島が”天皇”を語るシーンでは、且つて自らに銀時計を贈ってくれた人間宣言をした”昭和天皇”に対する”人”に対する畏敬の念を”やや恥ずかし気に”語る言葉と共に、彼が信じる”絶対的天皇”への想いが交錯するアンビバレントな感情の機微が微妙に表れる表情にも魅入られてしまう。

・そして現代、当時の楯の会のメンバーや、対立していた筈の東大全共闘のメンバーが三島を語る数々の言葉には、不覚にも涙してしまった。

<最近の”言霊”の端くれもない”国を憂うべき人々の国会討論の内容の空虚さと品性の無さ”が、心底情けなく思えてしまう作品。
  又、猛烈に知的好奇心を刺激された作品でもある。>

■追記
 現在70代になられた当時の東大全共闘及び楯の会に関わっていた方々の眼力の鋭さ、頭脳の明晰さ、男として長い年月を様々なモノと闘ってきた”漢の顔”にも感服した作品である。

<2020年3月20日 劇場にて鑑賞>

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NOBU

4.5結局「三島劇場」

2020年3月20日
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良かった。
全体的に、全共闘と三島はお互いリスペクトしあってた。
それは三島が大人だったからに尽きる。
三島の決して相手を否定せず、かといって相手の言ってることを
全く無視して持論を述べる事に終始するわけでもない、
あの絶妙な距離の取り方があの場を成り立たせる全てだった。

その距離の取り方は、三島が文筆家として執筆する際の行間を読ませる技術から
来ているのかもしれない。

今回の討論も、この映画も、全ては「三島由紀夫」という人物ありきのものであり、
三島が人生を通じて行動し、結果を出し、評価され、名を挙げたからこそのものである。

全共闘側も真摯に対応したし、共感できる部分もなくはないが、結果を見ると「ごちゃごちゃ言ってるやつより行動したやつ」に寄って掛かる代物である以上、結局「三島劇場」と総括できる。

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0335544

5.0主張と反論、そして傾聴と理解。

2020年3月20日
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このドキュメンタリーを見て、人と人との対話には、主張と反論、傾聴と理解が改めて、大切だと感じました。
対話とは、必ずそこに「相手」という受け手が存在して、成り立つものであり、
相手を不快にさせない、誠実に対峙するという事が基本だという事を現代に問うてるのだと感じました。

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さかもっち

3.0三島の言葉と肉体

2020年3月20日
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 1000人が集う駒場の900番教室一杯にエーテルのように満ちているのは、熱情ではない、やや光を失いかけながらも輝くサルトルの亡霊。
 肉体を持とうとした作家と肉体を失ないながらも標榜を立ちきれない集団が、サルトルのなかでもがき続ける。
 単純な右翼と左翼などといった世間の煽りの対立構造はそこにはない。反米愛国の単純化でもない。日本固有の歴史と文化は、あくまでも生きた言葉で残せば良かった、死に体の思想も生きた言葉で残せば良かったのだ。
 そんな観念論なんか聞きたくないんだよ、という異論は直ぐにかき消されたが、今では最もらしいその言葉は、当時の世界的な潮流の前では無力であり、もしそのような議論にいければ、少なくとも継続する思想として、肉体の一部位は持ち得たのだ。
 226事件からわずかに30年後、226事件の再現を夢見みた無理やりの強引な殉職劇に肉体を捧げた三島は、言霊と英霊の二つとなった。

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十二滝わたる

4.0言論の大切さ

2020年3月20日
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イデオロギー的なバイアスが掛かるテーマで
もありそうでしたが、フラットな作りで好感
を持ちました。
道を模索し意味付けを求める若者が三島から
答えを引き出そうとする様にも見えました。
1969年は三島が豊饒の海第二巻「奔馬」を
書き上げた後なのもあったのか若者達への眼
差しが意外な程に優しく、やんちゃな息子に
対する親父にも似ています。
全共闘も三島も結局の所は日本と言う国を
想い愛していたのは一緒でした。
今の若者達にも観て欲しい作品です。
こんなにも熱く語る日本人達がいたのです。

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kenjii0809

4.0言論による闘いは必要

2020年3月20日
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記録フィルムに随時解説やインタビュー映像が挟まれ、親切な作り。
それにしてもその主張はともかく、三島の物腰や言葉遣いなどに人格が伺われ、本当に魅力的な人だったのだなと分かる。一方で全共闘(特に芥なにがしとかいうヤツは今もって)は上滑りする言葉を弄ぶばかりでちっとも響いてこない。
終盤の「全共闘運動後に何をしたのか」についての答えが、いかに彼等が駄目だったのかを物語る…
とはいえ、現在の「言葉が通じない」レベルの政治家の駄目さを考えれば、こうした闘いは必要なのだな、と思わせられる。その点だけでもこの映画の存在意義はある。

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ぱんちょ