劇場公開日 2020年3月20日

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「圧倒的熱量」三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 ミカエルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0圧倒的熱量

2023年2月7日
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鑑賞方法:映画館

三島由紀夫vs.東大全共闘というタイトルからすると、単純に右翼対左翼の激論が展開されることを想像した。確かに、両者の理念は正反対で、議論は噛み合っていないのだが、実は反米愛国という部分では一致していて、全共闘側はできれば三島と手を組みたかったのだということが、終盤でわかった。
議論は、時間、他者、国家、天皇などをテーマに観念的、抽象的な言葉が熱情をもって交わされ、ハイレベルな哲学の講義のような光景が繰り広げられる。言葉というものにまだ力のあった時代で、言葉で人を説得し、言葉によって世の中を変えていけるということが信じられていた、純粋で真摯な時代だったのだ。
圧倒的熱量を持った議論など失われてしまった今、コロナショック後の世の中は、変わっているのか、変わっていないのか。

ミカエル