「6歳で安田講堂事件をテレビで見て、いつか自分も、とぼんやり思った変な子でした」三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 マツドンさんの映画レビュー(感想・評価)
6歳で安田講堂事件をテレビで見て、いつか自分も、とぼんやり思った変な子でした
三島は、天皇という一神教を信じ、全共闘が社会主義革命という一神教を信じていると受け止め、一神教信者というメンタリティーにおいて共闘できると信じ込み、アメリカ的価値の堕落という共通の敵と戦おうと勧誘に出向いた、という事なのでしょうか。
東大生と三島の抽象概念のキャッチボール、すごいね、頭いいとはこういう事なんだろうね、などと感心しながら見ていましたが、同時に、ただ言葉の粉飾にすぎないような気もして、本質を見極める力とは別物のような気がしないでもなかった。だから、巷のおばあちゃんなんかが、ぼそりと言う真実に打ちのめされたりすることがあるような。
三島は、割腹自殺という形で一神教に殉じた。しかし、全共闘は果たして本当に一神教信者だったのか。もともと多神教だったのか、あるいは改宗したのか。ただ、あの時代において、まじめに、かつ愚かに、そして熱く対峙する姿は、一回りほど下の私にとって限りなくまぶしい輝きを放つものでした。
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