「薔薇を背負う男」三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
薔薇を背負う男
昭和の文豪である三島由紀夫だが、2作しか読んだことがない。電車の中で「憂国」を読んで気持ち悪くなって以来、拒否反応が…。うーん、「潮騒」からにすれば良かったのだろうか。あと、美術館で少し見た程度だけど、細江英公の写真集「薔薇刑」は知っている。半裸で、様々なポーズを取る三島。なんとも妖しい匂い。この写真集の何年か後に、薔薇族が出たのかな。
こんなイメージしか持ってなくて、ごめん、三島さん。もーほんと頭の回転が早い早い、若者から投げられたボールを返しまくったね。しかも相手の話もきちんと聞く。すごく誠意が感じられた。終始、紳士だった。
左指向の1,000人に、右の人が1人で対する。護衛が秘かに入り込むくらい、危ない状況だろう。でも、赤子を抱いた芥正彦のおかげで、場の雰囲気が丸くなったように思う。もしかして、わざと連れてきてたりして。赤ちゃんが、流血沙汰を防ぐストッパーの役割になると考えてたとしたら…? 何となくそんな気がした。三島と芥のやりとりにも、そこはかとなくユーモアが感じられ、年齢も主義も違う2人だけど、通じ合うものがあるように思えた。
ナレーターは東出昌大。多分、監督の要望通りにしゃべっているんだろうけど、なんか甘いというかセンチメンタルなイメージ。確かに題材は過去の出来事なのだが、ちょっと感傷的に聞こえてしまう。好みの問題だろうか。討論の合間に解説が入るのは、わかりやすくて助かった。
しかし、全共闘とは何だったんだろう。共産主義って、みんな平等のように想像するけど、実際は格差もあるだろうし、全ての人が幸せかどうか…。若いうちは理想に突き進むものなのか。あの熱の正体がわかる日は来るのだろうか。
↑女子会のノリのチャットにお邪魔します。😁
芥正彦の抱いていた赤ちゃん。あの娘さんがその後どうなったのか興味津々だったのですが、映画のためのインタビュー申し込みは失敗したのでしょうねー(笑)
talismanさん
もう見たんですね!すごい!
何年か前に見たので細かいところは忘れてますが(笑)、きれいだったことは覚えてます。この映画を見た後、ダイアン・アーバスの伝記まで読んでしまいました。
喜んでいただけて何よりです😄
ぷにゃぷにゃさん、毛皮のエロス見ました!ニコール・キッドマンの映画でした。そもそもニコール・キッドマンてよく知らなかったので、美しい~と感動しました。アーバスに捧げるけどあくまでフィクションと冒頭で謳っていたのでよかったです。教えていただきありがとう!
NOBUさん
コメントありがとうございます❣️
もしかしたらNOBUさんより10歳くらい下かもしれません。私はバブルの残り香は嗅ぎましたが、うまみは全く吸ってないです(笑)。
映画の中の若者たちは、時代の空気もあるかもしれませんが、熱かったですね。
理想に突き進んだのは三島もなので、何となく哀しい感じがしてしまいました。
青き時代を通り過ぎたとは、詩的ですね〜。あまり熱くならないタイプなので、ちょっとうらやましいです。
今晩は。
私は全共闘の残党の方々が学内に”少しだけ”いた時代を経験したものです。
けれど、”若いうちは理想に突き進むものなのか。”という書かれたレビューには、私見ですが”若い頃は理想に突き進むべきである、”そして挫折を味わう・・”事で様々な事を学ぶのではないかな”と思います。
”理想何てないよ・・”というニヒリズムを私は嫌います。(その割には反動として、パンクロックが好きという自己矛盾も抱えていますが・・。)
そして、”あの熱の正体がわかる日は来るのだろうか。”というレビューには、これも又、私見ですが”来る”と思います。(私には守るべきモノが出来た時点で来ました。そして、自分が”青き時代”を通り過ぎた思いを感じました。)
芥さんが、あの若さで三島さんとの熱き論争から”もういいや・・”と身を引くのはそのためではないかな・・と勝手に思いながら、今作品を観ていました。
では、又。
返信不要です。
talismanさん、お返事ありがとうございます💕
森村先生(勝手に先生と呼んでいる)の展覧会に行かれているとは!
私も横浜美術館の個展とか行きました。4月に品川の原美術館に行きたかったのですが、コロナが心配で断念しました…。あの空間では最後だから、本当に残念です😭
シンディ・シャーマンもいいですよね! セルフポートレート仲間ですね!
ぷにゃぷにゃさん、三島モチーフの映像見ました。森村泰昌、好きです。展覧会には以前よく足を運びました。画集(というか写真集)も手元に置いて、折りを見て眺めています。シンディ・シャーマンが森村さんにとって姉妹みたいな感じですね。シンディの写真集もいいです。
ダイアン・アーバスの映画、そうです!
「毛皮のエロス」です!
伝記映画ではないので、あくまでもモデルにしただけですが、興味がそそられました。アーティスティックな作品ですよ。
talismanさん
コメントありがとうございます❗️
三島作品は何から入るか、重要ですね。私もがんばって読んでみようと思います。せっかく映画見て、人柄に触れたのだから、これをきっかけに歩み寄ろう‼️
余談ですが、現代アートの森村泰昌という人が、市ヶ谷の三島の演説をモチーフにした映像作品を作っているので、機会があったら見てみてください。
三島の映画、私も見ました。全共闘世代は、お祭りを大学で派手にやって、知らない顔で社会人になって、従来の価値観変更に寄与する事もなかったので、私は好きでありません。三島の作品、何を初めに読むか、かなり大事ですよね。私は、「禁色」「仮面の告白」で(間違えて)始めてしまって失敗でした。大学生になってやっとまともに読み、大ファンになりました。あれだけのインテリがああいう死に方するのは愚かだと思います。ナレーションに関しての、ぷにゃぷにゃさんのご指摘、激しく同意です。何も心に伝わってきませんでした。なぜそう思ったかというと、五年ほど前、NHKの番組で三島を取り上げていて(芥さんなども出ていた)、その時のナレーションは西島秀俊でした。三島の上記の映画鑑賞後に見たのですが、西島秀俊の言葉が心に伝わってきたんです。映画の東出のナレーションは全く記憶にないので、違うんだ~と納得しました。長々と失礼しました。
ぷにゃぷにゃさん、ダイアン・アーバスが映画化されてるとの情報、ありがとうございます!調べてみます!自分で死を選んだ人なので、人生もかなりヒリヒリしてると思います。板違いで失礼しました。