「三島由紀夫の言葉の力」三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 ニョロさんの映画レビュー(感想・評価)
三島由紀夫の言葉の力
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三島由紀夫の小説は数冊は読んだけれど、それよりも割腹自殺で最後を迎えたその生き様にずっと興味があった。今回、この映画ができて討論内容が理解できるか不安を持ちつつ鑑賞。全く問題なし。討論の合間にインタビューや解説がありその時代に何があったかわかるようになっていた。
さて、本題ですが、この討論、左翼対右翼。1000人対1人の戦いと思われたけれど、三島の紳士的かつユーモアのある言葉が全共闘のメンバーに純粋な議論を呼び覚ます。この時代の言葉が持つ力とはこれほどのものかと圧倒される。言霊と途中で三島が言うけれど、言葉は言霊となって参加している学生やこの映画を観た私達にも響いてきた。
この一年半後、有名な割腹自殺の事件がおこる。三島は市ヶ谷の基地で呼びかけるが、残念ながらその言葉は届かなかった。三島は日本最後の武士かもしれないと思った。
そして、登場人物が驚くほど魅力的だった。
インタビューに答えた当時のメンバーは、この戦いを終えて次の一歩をどう踏み出すか、考えただろう。それは三島達の世代、太平洋戦争の終わりに10代の終わりをむかえた世代が、生き残ってしまった自分の生きる意味を問い続けたこととどこか似ている気がした。
赤ん坊を抱えてきた芥さん、圧倒的なロジックを展開。三島が挑発に乗らないとみてとった瞬間、つまんないから帰ると去っていった。あの赤ちゃんは今頃何してるかな。芝居好きな私としては、芥さんの芝居、観てみたいな。
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