劇場公開日 2020年3月20日

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「行動を伴った言葉の応酬」三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 デイビット・ジャガーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0行動を伴った言葉の応酬

2020年4月26日
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画面から、三島も、全共闘の論客たちも、その発言の内容から、膨大な知識と情報を自ら咀嚼して、教養としている事が伝わってくる。
何より、デモや楯の会など、行動に裏打ちされた言葉には、陳腐な反論を許さない強固さがあった。そして、三島が全共闘の行動の一部を、支持すると発言しているように、互いに認め合う寛容さが、逆に言葉の応酬を先鋭化させているように思えた。やはり、活字や音だけでは分からない、映像でしか伝わらないものを、改めて感じさせてくれた、良質のドキュメント映画。
それに比べ、匿名に隠れて、他人の発言を受け売りして、平気で相手を誹謗中傷する、昨今のネトウヨなどの、愚劣な連中の言葉が、本当に何の意味も価値も無いという事が良く分かる。

デイビット・ジャガー