「言葉の意味はよく分からんがとにかくすごい自信だ」三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 shinkatoさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉の意味はよく分からんがとにかくすごい自信だ
「高次元」という言葉がピッタリと言っていいほど彼らから飛び出す言語の理解は困難だ。しかしながら、その言葉と一緒に運ばれてくる熱量を我々は確信的に感じることが出来、結果この作品は時代を超えた普遍的なものになっているのでは無いだろうか。
観客はこの「vs」の結果をどう受け取っただろう?表面的には互角、いや芥のカリスマ的存在感により、むしろ全共闘が優勢に感じる者も少なく無いだろう。
しかし、解説陣複数による「全共闘は自身の人生の中の<あの季節>をどう総括しているのだろう?」という共通の疑問に対する現在の彼らの答えっぷり。そこにヒントがあると思う。三島と対峙していたあの時の熱に溢れていた面影を感じることは出来なかったのだ。
一方で三島が説く「美学」。日本人であるという運命に身を任せるしかないことを肯定し、その中心にいる「天皇」は概念でしかない。自信が戦争に行けなかったことへのコンプレックスのようなものから由来してると推察する者も少なくないこの「美学」は、何かに運命を支配されることへの渇望と、運命を導く者を待望してるわけだが、ここでこの作品を観たものが、絶対的に抱くであろう「今のこの状況、三島はどう思うだろう。いや、この時点で今の日本の状況、三島はわかってたかも…」という感情の先に、憂いてしまう自身が悲しい。。
ドキュメンタリーであるが三島を始め出演者達はその時代を代表するこの上無い演者だ。彼らの熱量を確認できたことに心から感謝したい。
改正健康増進法により全ての施設内でタバコが吸えなくなった2020/4/1に記す!笑
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