劇場公開日 2020年3月20日

  • 予告編を見る

「三島式シンクタンク ~すべては対話から始まる~」三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0三島式シンクタンク ~すべては対話から始まる~

2020年3月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

当時の若者は生きることに真面目で一生懸命だったから、
あのようなムーブメントを起こし魂をたぎらせたのでしょう。

さぞ理屈っぽい議題を取り上げてくるかと思っていましたが
純粋でいて普遍的なことを、言葉のやり取りで、
互いの思想をつまびやかにしていく…
そんな、若者たちと三島氏が共同作業をしているように見えました。

印象に残るのは、若者の話を聞きながら三島氏が嬉しそうに煙草を吸う場面と、
芥氏と仲良く煙草のやり取りをする場面です。
あくまでも世間的?に“右と左”の対極関係にありつつも
論破したり看破したりせず、ちゃんと相手の話に耳を傾け存在を認め合う
そんな、同じ時代を生きる同士のように見えました。
そして三島氏は若者にとっての【話の分かる大人像】であり
若者は三島氏にとっての【これからの日本を託す子供像】
だったんじゃないのかな?

もしも、三島氏が自決を思いとどまり
あともう少し、生きて、影響力を及ぼす存在であり続けていたならば…
日本はどのような国であったのだろう?

三島由紀夫氏とのことは、
若松孝二監督作品『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』
で語られていることぐらいしか知らなかったんですが
自決前の自衛隊への演説シーンの、物悲しい空虚さときたら…

やっぱり三島由紀夫は若者と絡んでいた
この時代が一番輝いていたように思いました。

野々原 ポコタ