劇場公開日 2020年10月9日

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「その人が見つめる先に」82年生まれ、キム・ジヨン プールサイドさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5その人が見つめる先に

2020年10月13日
iPhoneアプリから投稿

人生における幸せとは何か。
「仕事」「結婚」「出産・育児」これらのパートからそれぞれ1人の人間として、または妻、母親としてのキム・ジヨンを描いている。
僕は男で未婚です。
パートナーはいるけれど共感できる程人生経験はなく、観ているこっちもしんどくなるシーンが多々ありました。
冒頭なんて家事の様子を淡々とカットが送られていったけれど、慣れているだけでなく疲れているなと感じられた。

うつ病と憑依の関連性は実際にあるらしいが、今作においては少々都合が良すぎるのではと思ってしまった。
憑依してくる霊?の意思が明らかに有り、ジヨンを助けるための発言をします。
タイミングは良すぎるし、使い方にもう一工夫欲しかったかなという印象。

復職しようとするジョンは"夫が働いた方が稼げる”と指摘されてしまいます。
そうなのかもしれませんが、ジヨンに必要だったのはお金ではなく"心の豊かさ”なのです。
結局人にとっての幸せについて考えるとここにたどり着くのではないのでしょうか?
彼女は劇中、ベランダから、カフェの窓から外をじっと見つめています(恐らくキービジュアルでもジヨンが見つめているのは外の景色だと思います)
ジヨンにとって心の豊かさとは、外に出て仕事をすることなのです。

旦那のデヒョンはどうだろうか?
またキービジュアルを取り上げると、彼はジヨンを見つめています。
「ジヨンが幸せだと、自分も幸せになる」この言葉には全く偽りはなかったのです。
Netflixのオリジナルドラマ『ストレンジャーシングス』で、子供に妥協の意味を聞かれた大人が「半分ずつ幸せ」という風に教えていました。
結婚がまさにそうだと思った。
2人の人間が一緒に1つの道を歩くのです。
デヒョンはそれを体現しようとしている。

あらゆる価値観があり、人間がいる現代。
1度は今作を観ておくといいのかもしれない。

プールサイド