「日本に置換えて考えた。」82年生まれ、キム・ジヨン T Aさんの映画レビュー(感想・評価)
日本に置換えて考えた。
韓国や中国などのアジア諸国を見下す日本人は、何故か男性、それもオジさんに多い。
また、育児も介護も家庭が責任を持つべき=女性が担うべきという発想も男性、特にオジさんに多い。
そして、会社の偉いさんも、安部・菅と続く政府の方々も、そういうオジさんばかりで占められているのが日本という国である。
この映画は、韓国社会の矛盾を描いたものだが、日本という国にもそのまま当てはまる。
ただ、この映画、そして原作本が大ヒットした韓国は、この社会の闇に光が当てられ、多くの人々が問題意識を共有し、社会の変化を引き起こすきっかけとなっているであろうことは容易に想像できる。
翻って、日本は???
もし原作が日本人が書いたとしたら、日本で韓国のようにヒットしただろうか?
たぶん、無理だったと思う。
国会議員が「女性は平気で嘘をつく」と言い放ち、それに対して処分すらしない政党が支配している国で、このテーマの本も映画もきっと韓国ほどには受け入れられなかっただろう。
そう考えると、実は日本社会の保守性・閉鎖性は、もっと深刻なのでは?と思えてくる。
男性にも見てほしい、という書き込みが多いが、本当にこの映画のテーマを理解する必要がある男性は、韓国映画という時点で拒絶するんだろうな…と思ってしまった。
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きりんさんのコメント
2020年12月6日
レビューを読ませて頂いて思い出しました、
映画館でエンドロールが始まって暗い中、立ち上がって退席しているのは全員男性でした。
女たちは館内が明るくなるまで誰ひとり席を立つ人がいませんでした。
なにか象徴的でした。