劇場公開日 2020年8月7日

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「子役だったジャイア・プルーフが脚本を書いた自伝的映画」ハニーボーイ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5子役だったジャイア・プルーフが脚本を書いた自伝的映画

2022年8月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

自分をコントロール出来ない《そんな父親でも》
僕は愛してる

2019年(アメリカ)
子役スターでニックネームが「ハニーボーイ」だったジャイア・ラブーフ。
そのラブーフが脚本を書いた自伝的な映画です。
サンダンス映画祭監督賞など、様々な賞に輝く。

シャイア・ラブーフの個性が強く出たインディーズ系の映画です。
3人の主役の存在感と演技が凄い。
シャイアの12歳の時のオーティスを演じるのは天才子役のノア・ジョブ。
22歳になったオーティスをルーカス・ヘッジズ。
ステージパパで怒りを爆発させて制御不能の父親をシャイア・ラブーフが
前髪を禿げさせた風貌でイヤらしく演じて、度ハマリ役です。上手い。

子役にマトモに育った子はいない・・・そんな気がして来る映画です。
前科者で幼い息子に食べさせてもらい、それを苦にして挙句に八つ当たり。

そんな父親に育てられ今はハリウッドスターで、飲酒事故で更生施設に入院してる
22歳になったオーティス(ルーカス・ヘッジズ)
父親から受けた虐待は今も彼を苦しめPTSDと診断される。
(現実にシャイア・ラブーフは酒気帯び運転で事故を起こし、2本の指が欠損してるとか)
(悪童の誉れも、女癖の悪さでも有名です)

この映画はなんの解決もありません。
オーティスが立ち直ったか?真人間になったかも何も分からない!!

そこがこの映画の良さ・・・かも知れません。
痛み(ペイン)は誰にも分からない。
心的外傷なんて洒落た病名をつけても直す薬なんかないのです。
こう言う生い立ちならエキセントリックになっても、なんの不思議もない。

ノア・ジョブ→ルーカス・ヘッジズ→シャイア・ラブーフ
現実にそこにいるように演じて、リアリティ半端なかった・・・
そこが見所。

琥珀糖