「チャウ・シンチー20年前の傑作の現代バージョン」新喜劇王 バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
チャウ・シンチー20年前の傑作の現代バージョン
チャウ・シンチーはバカコメディの人と思われているかも知れないが、本当にハートのある映画を撮る。もはやハートこそが唯一最大の関心事で、そのために多くの映画では当然とされているような構成を平気ですっ飛ばしたりもする。なので、本作の展開(特に終盤)をあっさりし過ぎているように感じる人もいると思う。でもそれは、チャウ・シンチーがプロットを丁寧に処理することに特に重要性を感じていないのだろう。で、じゃあ何を描こうとしているのかというと、「夢を追うことの地獄とその先に見える希望の光」。素晴らしいラブストーリーだったオリジナルの『喜劇王』から恋愛パートすら削ぎ落としていることに凄みすら感じる。そしていまや中国の大ヒットメーカーなのに、本当に名もない時代の気持ちを失っていないことに感動する。
あと『喜劇王』の続編ではなく、映画『喜劇王』が存在する世界で、女優を目指すエキストラの奮闘記です。
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