「香村脚本、健在!」魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO 財団DXさんの映画レビュー(感想・評価)
香村脚本、健在!
(※本レビューでは同時上映の『騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー』の感想も記述する)
スーパー戦隊の『VSシリーズ』は「トッキュウジャーVSキョウリュジャー」以来の劇場鑑賞。
だが、結果から言ってかなり満足のいく内容であった!
ティラミーゴと喧嘩別れしたコウとカイリの対照的な
Wレッドの掛け合い、圭一郎とバンバの堅物同士の
睨み合い、やんちゃなトワを諭す咲也、カナロの好意に
お礼を返そうとするも透真と鉢合わせるつかさ、
オトを庇うお姉さんらしさを醸す初美花など、
各キャラクターの性格を鑑みたベストマッチングを
ストーリに上手く織り込む見事な手際。さすが香村脚本!
「ルパパト」TVシリーズ最終回で泣いてしまった筆者としては、カイリの”正しさから外れても大切な人(仲間)を
取り戻すべき”という主張には彼が背負ってきたものを
思い出し目頭が熱くなった‥。
また、圭一郎の「(コウたちが金庫を開ける決心をつけるまで)世界を守る盾となる!」や「我々の防御力をなめるな!」
というセリフは装備強化はされないけどやたらしぶとい
警察戦隊の自虐とも取れるだけでなく、快盗たちの一件を
経て成長した彼らの頼もしさを感じられる名セリフだった。
また、つかさと透真の手に汗握るやり取りもたまらない。
リュウソウジャーも、バンバをはじめとしたリアリストの 正義に傾きそうなところを、決して曲げられない己の思いを
最後まで貫こうとするコウにらしさを感じた。
これが彼らの騎士道なのだろう。
もちろん白眉となるアクションは健在で、シリーズ恒例の
武器交換したアクションは安心して見ていられるクオリティの高さであった。
そして『魔進戦隊キラメイジャー』も好発進した印象。
今回はあくまでエピソードZEROであり、戦隊によくありがちな"何人かは最初から変身できる"設定を補完する前日譚となっている。
eスポーツプレイヤー・陸上選手・アクション俳優・美人女医など、ありそうでなかったメンバー設定やキラメイストーンのキャッチーな言葉遣いも期待をそそられる。
とはいえ最後のプリキュア とのエンディングダンスには
思わずポカーンとしてしまった…。
こういうごちゃ混ぜ感は東映らしいし懐かしくもあるが。
スーツアクターの皆さまは振り付けを覚えるのに苦労したのだろう。