「観ている方も犯人に翻弄されます」暗数殺人 mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
観ている方も犯人に翻弄されます
暗数とは、警察が調査や捜査をした犯罪件数と、実際の犯罪件数の差。つまり、「暗数殺人」とは、届け出のない水面下に埋もれてしまった殺人事件のことを言うらしいです。映画では1年で200件ぐらいあると言われていましたが、でたらめの数字ではないでしょう。フーっと重たいため息が出そうです。
韓国での実話を基に再構成した話であると、最初にテロップあり。
犯人追跡のアクションシーンなどもなく、グロいシーンもなく、ある意味、韓国映画では珍しいともいえる娯楽要素の少ない犯罪もので、地道な捜査で事件が解明されていくストーリー。でも、知能殺人犯VSベテラン刑事の頭脳戦とでもいいましょうか、地味ながらも、ぐいぐいと引き込まれて、気が付いたら、刑事とともに緊張感を持って謎解きをしてしまうような映画で、見応えがありました。
刑事キム・ヒョンミン(キム・ユンソク)、殺人犯カン・テオ(チュ・ジフン)の演技がすごくよかったです。刑事ヒョンミンの静かな情熱と刑事としての執念。犯人から何を聞かされても、交番に飛ばされても全然動じないんだけど存在感ありあり。キム・ユンソク氏の主演映画はこれが初めてで……ちょっと恥ずかしいです。笑
こんなに素敵な雰囲気を醸し出せる俳優さんだとは!!
殺人鬼のチュ・ジフンの不気味なサイコパスぶりもよかったです。『神と共に』を最近見たので、あのかっちょいい、ヘウォンメクが殺人犯てどうなの?と思ったりしましたが、こんな役もこなせるんだと感心しました。演技の幅が広いんですね。刑務所の中でも、ときおり、殺人鬼のような鋭い目を見せたりで、レクター博士のように、もっと狭い檻に入れなくても大丈夫なのか?と、ドキドキしました。刑務所の中で、法律の本を広げて勉強しているシーンも印象的。自分は韓国語はわからないけれど、刑事役のキム・ユンソクから、チュ・ジフンは釜山の方言を褒められたらしいです。
「被告が15年後出所したときは、50歳。その年ならば十分に人を殺すことができる。それを阻止するためにも彼を永遠に刑務所に閉じ込めておかなくてはならない」というキム・ユンソクの言葉が心に残っています。正義や真実ではなく、「殺人」を極力、食い止めなくてはならないという切なる願いが伝わってきました。
共感そしてコメントありがとうございます。
心に残る映画でしたね。
拘置所の面会に1万円OKとか、どういう理由で1万円も??
〉50歳で出所してもまだ殺人が出来る。
〉だから刑務所に入れておかなければ・・・
そんなセリフありましたか?
同感ですね。
刑事役とサイコキラー役2人の演技が上手くて引き込まれましたね。