劇場公開日 2020年2月1日

  • 予告編を見る

「ファンだと知られてしまうのもちょっと恥ずかしい」どこへ出しても恥かしい人 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ファンだと知られてしまうのもちょっと恥ずかしい

2020年3月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

憧れの人。
人に話したことはでも一度もない。
橫溢するエキセントリックな個性。
絶対真似できない才能に嫉妬さえ覚える。

詩人
歌手
酒飲み
画伯
ギャンブラー
アウトロー
どれをとっても友川の一部でしかない。

「なにかを断念しないと、なにかで突出することはできない」
「潔さ」が背広を着て、
「産まれた時からリストラにあっているようなもの」とうそぶきながら、
今日も万車券を狙う。

たこ八郎は売れる前から彼の追っかけだった。一番気が合ったらしい。たこ八郎が真鶴の海岸で死んだ時がこれまでで一番かなしかったという。
東京スポーツの見出しは確か「たこ、海に帰る」だった。
三日三晩酒を飲み続け、口移しで酒を呑ませてやったそうだ。そうすると、たこ八郎の顔が一瞬、恥ずかしそうにポッとピンク色に染まったと話す。人が死んでこんなに楽しかったことはないとも言う。

この映画のために、新曲、「どこに出しても恥ずかしい人」を作った。
曲はオクラホマミクサー。

ちあきなおみに提供した楽曲は、「夜へ急ぐ人」や「祭りの花を買いにゆく」など名曲。表舞台から消えたちあきは一時期、友川の歌しか聴かなかったという。

齢70を過ぎても眼光鋭く、矍鑠(かくしゃく)とした友川はカッコ良かった。
ケイズシネマでサインをしてもらった。
友川の本名は及位(のぞき)だ。
一人ひとり、名前を聞いて、「どんな字ですか。どこの生まれ? あ"ー、あなたね、今日、四人目❗」珍しい名前が好きらしい。
がっちり握手してくれた❗

映画のなかではパーティーに出て人と握手するのが本当に嫌いと言っていたが・・・・・

競輪は駆け引きのスポーツで、実力や長所、欠点もさることながら、その日の調子、選手どうしの派閥や組み合わせ、怪我、私生活情報も加味した友川の予想は最高に面白かった。人生を楽しむ達人だ。

カールⅢ世