劇場公開日 2021年2月6日

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「らせん構造」モルエラニの霧の中 Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5らせん構造

2021年2月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

7話のうち、強い起承転結をもつエピソードはなかった。
第3話「夏」、第5話「秋」、第6話「晩秋」は、一話で閉じていると言えるが、それでもストーリーは弱い。
そのため、どのエピソードを観ても、他のエピソードへの“伏線”のようにしか見えず、もどかしさがつのる。
例えば、第1話「冬」で、大塚寧々が海に投げる「手紙入りの瓶」は一体何だったのか?
第2話と第7話で登場する「蕗子さん」は、結局、どういう存在だったのか?
よく分からない。

何人かの登場人物は、エピソード間でオーバーラップしており、「きっと最後には、一つにまとまるのだろう」と期待した。
しかし、未完の名残を残したまま、どんどん進んでいって、そのままエンドロールを迎える。
結局、関連性に乏しい、7つの断片の集積に見える。あるいは、始まりも終わりもなく永久に閉じない、“らせん構造”のような作品という印象だ。

それでも、複数の監督によるオムニバス作品であれば、“ご当地もの”として良いだろう。
しかし、同じ監督・脚本となれば、困惑せざるを得ない。
室蘭の人なら、よく知った場所や地元の空気感が、ストーリーの弱さを補完して、“腑に落ちる”ところがあるのかもしれない。
自分にとしては、消化不良なまま、214分が過ぎ去った。

Imperator
U-3153さんのコメント
2021年3月8日

ものすっごく共感しました。

U-3153