「怪獣+疫病」ムルゲ 王朝の怪物 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
怪獣+疫病
もしかしたら怪獣ムルゲは出てこないんじゃないか?などと思った序盤。朝廷の転覆を企む一派により、民衆の不安を煽り、火事場泥棒のように政権を奪ってしまう裏の話。まるで今の日本をも想起させる大胆な政略が語られるのです。ましてや怪物ムルゲの姿を見たものはいない。しかし、アザと水ぶくれによる伝染病だけは何人もが目撃しているのです。
は、は、は、怪物なんて捏造だよ!恐ろしい話だが、「もしかして怪物が出てこないんじゃ?」と観客も別の意味で恐ろしくなる手法はたしかに上手い。そして、怪物討伐のために民衆が呼び寄せられる。日本の戦国時代さえ感じる間に合わせの兵士。韓国には徴兵制度があるけれど、この農民・町民イジメも堪らない・・・
そんな心配も杞憂に終わり、ついに怪獣は登場しました!その姿も体長5Mほどの小粒ではあるけど、いかにも病的な皮膚病を負っていて気色悪い怪獣。上手く逃げることができても感染しちゃうのです!
誕生秘話も終盤に明かされるのですが、ちょっと可哀そうになってきます。結局は人間のエゴから生まれたものであり、それを利用してまた謀略が行われる。クライマックスはもちろん手に汗握るものがあるのですが、とにかく、官吏が庶民を殺していたのだというシーンには恐怖を禁じえませんでした。
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