「カッチリできてる怪獣エンターテイメント」ムルゲ 王朝の怪物 komacさんの映画レビュー(感想・評価)
カッチリできてる怪獣エンターテイメント
ただの怪獣退治ではなく、宮廷の陰謀劇を絡めて、疫病も怪物も権力を得るために利用する怪物よりも醜怪な人間を描いて迫力あります。怪物の噂を捏造するあたりはフェイク・ニュースが飛び交う現代に通じる話。疫病渦は偶然ですが、あまりにもタイムリー。民衆の命など省みずに何でも権力維持に利用するのは、現在の日本でも変わりありませんね。
とは言っても、コミカルな描写も交えてサクサクと話は進み、アクションは派手で怪物との攻防も緊迫感あり、血みどろ描写もぬかりない大エンターテイメント。怪物の意外な誕生秘話もあったり、恋愛描写も折り込まれたり、満腹感あるシナリオ。ラストもハッピーエンドでいいな。
時代劇と怪獣というとNHKの『荒神』を思い出しますが、出来は雲泥の差。『グレートウォール』といい『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』といい、怪獣映画はもはや日本のお家芸ではありませんね。『キング・コング』へのオマージュもちょっとあり。
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