「面白い気はするんだけど…」TENET テネット ヤチトリさんの映画レビュー(感想・評価)
面白い気はするんだけど…
黒幕の正体とか、フリーポートでの敵の正体とか発想は面白い気はしたんだけど…
『逆行』の意味というか、どういう状態になるのかがわからないまま中盤まで進んでいくから、理解がし難いんだよね。
主人公以外は逆行状態での世界の見え方を元々知ってたことに違和感が有ったりするんだけど、そこは黒幕の正体とともに見事に回収されてる。
んだけど、全体としてスッキリ納得出来ないんだよね。
敵のボス、船で殺されてその後の世界に居ない事になってるってことは過去の改変で現在は変わるって意味なんだろうけど、そうすると誰が殺害を指示した事になるんだ?とか。
途中、祖父殺しのパラダイムに積極的に触れてる割には、そこに対するアンサー無いまま終わっちゃうのもなんだかな〜って言うね。
色々、練られてる感は伝わってくるんだけど、練りすぎて分かりにくいっていうのかな?観る側は設定構築の過程を知らないから前提条件を共有出来てないんだよね。
そこをもっと分かりやすく、例えば相棒が現在に来たシーンを描いてそこで逆行の基本ルールを上手く落とし込むとか?
何回か観たらスッキリする部分有りそうだけど、そこまででもない。
初回で大きい疑問がスッキリさせるカタルシスを感じさせて小さい謎を読み解くシックスセンスとかユージュアルサスペクツとかは見直したい!って思うんだけど、全体がモヤっとするからそういう感じにもならんのよね。
これだけ文句言っても損した気分にはなって無いから、面白い映画ではあるんだろうな、てだけw