「アイデアに縛られてスピード感のない展開」TENET テネット ぐちたさんの映画レビュー(感想・評価)
アイデアに縛られてスピード感のない展開
時間の流れを逆行させるというアイデアがこの映画の肝で、このアイデアを除外して考えれば、世界を破滅させたい男と、それを防ごうとする男たちの攻防というベタな物語である。この設定のために説明的な展開にならざるをえず、ベタな話にしては上映時間が150分と長い。
各場面の映像の密度が濃く退屈しない、
技術的にはおそらくすごい、
伏線はきちんと回収する、
といった好ましい要素もあるが、展開にスピード感がないために乗れない。アイデアを咀嚼しきれず、逆にアイデアに縛られてしまっているのではないか。巨匠とされる監督の作品をずいぶんけなしてしまったが。
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