劇場公開日 2020年9月18日

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「考えるな!感じろ!」TENET テネット さうすぽー。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5考えるな!感じろ!

2020年9月26日
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クリストファー・ノーランの最新作!
2回観てきましたが、2回目観たときは結構理解出来て良かったです。

コロナ禍の中で久々にハリウッドの大作映画が公開されるということで、彼の作品としては今までで以上にSNS上で話題になっていてお祭り騒ぎです(笑)

さぁ、そんな本作ですが…
またしても凄い映画です!

彼はこれまで、
ダークナイト3部作、インセプション、インターステラーと数々の革新的で素晴らしい名作を作ってきましたが、これだけの作品群を作ってきてまだこんな革新的な映画が作れるのかと思うと本当に凄いです!

今回のあらすじは、第3次世界大戦を阻止するべくジョン・デヴィッド・ワシントン演じる主人公がミッションに挑むSFスパイアクション。

内容的には007の影響が強いインセプションに近いですかね。
ただ、今回は話が世界規模であること、テーマが「時間」であることが大きなポイント。

ノーランの作品はこれまでも時間を自在に操る演出方法や、劇中で時間の流れが変わったりする作品を色々と撮ってきましたが、本作では「時間の逆行」という、遂に時間そのものを主軸とした作品を作ってしまいました!

時間を逆再生させる映画は演出法のみで言うと「メメント」を彷彿とさせますが、今回は登場人物をタイムリープさせて逆行させるというクレイジーかつ野心的な設定がアクション要素を盛り込みながら展開されていました。

タイムリープものの有名な代表作を全て観てるわけではないのですが、自分はハリウッド大作の映画でここまでタイムリープを深く描いた映画は観たことが無いです。
そのタイムリープ(時間の逆行)を、陽電子という量子の理論を用いているので、本作における科学的な考察をするとキリが無いほど出来そうです。

そんな興味深い「時間の逆行」を主軸としながら、かつ迫力あるアクションを盛り込んでいるので、本当に面白い!

中でも、主人公と逆行してる人間が戦うアクションシーン!
時間が正しく進んでる人間と逆行してる人間が戦ってるので正直2回観てもわけが解らなくなりますが、わけが解らないからこそ、非常に奇妙で不思議な動きをするので、非常に興味深くてただただ映像に釘付けです!

また、消防車を使った中盤のミッションシーンも個人的に凄く好きです。

また、この映画において一番興味深いキャラクターは、ロバート・パティンソン演じる主人公の相棒ニールです!
準主人公として素晴らしく援護射撃をしているし、相棒のキャラクターとしてこれ以上無いくらい素晴らしい活躍をしていて頼もしいです。
はっきり言って、主人公はニールがいなければ確実に死んでます(笑)
彼の信条もとても興味深く、本作で一番好きになれたキャラクターでした!
演じたロバート・パティンソンも、良い役者になったなぁ。

また、本作における伏線の回収もお見事!
この映画、前半のあらすじは後半の伏線回収のための内容にほぼなってるので初め観たときは若干退屈に感じる部分もありましたが、伏線が何ヵ所も張っているので、それが後半に一気に回収されるので、本当に圧巻です!
ちなみに、初めて観たときは後半に物凄く熱が 入りましたが、2回目を観ると前半がより面白くなるので、また違った視点で楽しめました。

ただ、今作は設定の興味深さと映像センスに比重を置いたからか、エモーショナルなストーリー展開はインターステラーやダークナイトに比べてそんなに無かったように思えます。

ジョン・デヴィッド・ワシントン演じる主人公は好きではありますが、主人公が何者かというのもそこまで明かされないからか、映画見終わった後も相棒のニールほど好きになれたわけでは無かったです。

個人的にはそこが物足りなかった所であり、そこに関しては賛否解れてます。
また、クリストファー・ノーランの映画はただでさえ情報量が多い上に設定も複雑なので、単純なストーリーを望んでる方は正直他のノーラン作品以上に苦手かもしれないです。

しかし、自分のように情報量が多くて1回で理解出来なくてもどんどん引き込まれる方には本当に素晴らしい傑作映画です!
自分はインセプションで映画を何度か観る楽しさを教わりましたが、久々に何度も観たくなる楽しさを新作映画で味わえました!

ありがとう、ノーラン!

さうすぽー。