「難解すぎて消化不良」TENET テネット それもどうかなあ。さんの映画レビュー(感想・評価)
難解すぎて消化不良
ノーラン作品は大好きで、本作はネタバレを避ける為、予備知識を入れる事なく、ノーラン節の圧巻映像を堪能すべくIMAXで鑑賞。鑑賞後の感想は「派手にドンパチしてるけど、8割方理解出来なかった...」という残念なものでした...
ただでさえ華のない主人公(D.ワシントンの息子)なのに、ノーラン作品らしく説明不足の為、主人公がCIAなのか、何処の所属かも分からず、抑えた演技のせいもあり、余計に感情移入しにくい。
私の頭が硬すぎるのか、根本的に作品内のルールとなっている時間の順行、逆行が雰囲気でしか理解出来なかった...
まずどのタイミングで主人公が順行、逆行出来るのかを考えだすと混乱した。
物語途中、回転ドアに出入りする事で、順行逆行出来ると説明されるが、それなら冒頭、主人公が壁に射撃するシーンや、研究員が弾丸を転がしてクルクル回転させたりする仕組みはどういう事⁈回転ドアに入ってないけど⁉︎このレベルで既に脳内混乱状態に陥り、考えながら観れば観るほど混乱し、派手なカーチェイス、クライマックスの大規模戦闘は、どういう構造で皆がドンパチしてるのか、ついていけなかった...
研究員は主人公に「考えずに感じて」と言うが、まさに観客に言ってるのでしょうか。
鑑賞後、パンフやネットで解説を読んだりして、時間のシステムは概ね理解出来たが、あらすじを既に分かってしまったので、2回目に観ても驚きと感動はなく、よく練られた映画だなって分かる程度でしょう。
初見で感動、驚きを得たいと考えている私としては難解過ぎて合わず、至極残念な映画でありました。
あとツッコミどころとして、シーンとしては見応えあるものの混乱を巻き起こす為なら、ボーイング747を激突させずとも時限爆弾2、3個の方が作戦的にも確実だと思いますし、クライマックスの戦場は実写にこだわるものの、リアルな廃墟となったチェルノブイリ風セットとまでは予算の都合で無理だったのか、セット感満載のチープな造りで、そこはノーラン作品らしからぬ残念なものでした。